ロサンゼルスの大規模火災、猛烈な強風で急速に炎が広がる(海外)
ロサンゼルスで発生した火災では、20平方km以上が焼失し、住宅が破壊され、死者も出ている。 【全画像をみる】ロサンゼルスの大規模火災、猛烈な強風で急速に炎が広がる この「パリセーズ火災」は、アメリカ史上最も高額な被害をもたらす可能性がある。 この火災が急速に広がった背景には、暴風に加え、洪水と干ばつが繰り返し起きていたことが影響している。 ロサンゼルスは2025年1月7日(現地時間)の午前10時頃までは平穏だった。 しかし、その約24時間後には、パシフィック・パリセーズで発生した火災が12平方kmにわたって燃え広がり、2011年以降で南カリフォルニア最悪の山火事と呼ばれる事態となった。 さらに、この地域の3カ所に飛び火し、そのうち「イートン火災」では、8平方km以上が焼失している。 ロサンゼルス消防局によれば、1月8日朝の時点でまだ鎮火していないという。 数百棟以上の建物が焼失し、少なくとも5人が死亡しており、今後さらに状況が悪化する可能性がある。 カリフォルニアはこれまでにも火災に見舞われてきたが、今回の状況は、いくつかの理由から特に危険性が高いとされている。
史上最も高額な被害をもたらす可能性がある「都市型火災」
カリフォルニアの歴史上、都市の密集した住宅地にこれほど広範囲にわたって山火事が侵入したことは、ほとんど例がない。 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の気候科学者ダニエル・スウェイン(Daniel Swain)は、1月7日の朝に「イートン火災」のライブ映像を見て、「都市型大規模火災」と表現した。 歴史的に最も似た例として挙げられるのは、1991年にオークランドで発生した「トンネル火災」だろう。 この火災は6平方km以上を焼き尽くした。25名が死亡、150名が負傷し、カリフォルニア史上3番目に死者が多く、3番目に被害が甚大だった火災として記録されている。 今回の火災による最終的な被害規模は、まだわかっていない。 スウェインと彼の同僚たちが行った推計によると、パリセーズ火災はアメリカ史上最も高額な被害をもたらす可能性があるという。その理由として、焼失した建造物の多さに加え、それらの住宅が世界でも有数の高級住宅である点が挙げられている。 「この火災は、カリフォルニア州史上、さらには全米史上最も被害額の大きい山火事となる可能性が高い。それに加えて、他にも数多くの特筆すべき点がある」とスウェインは言う。