ロサンゼルスの大規模火災、猛烈な強風で急速に炎が広がる(海外)
記録的な強風が火災の拡大を加速
アメリカ国立気象局によると、1月7日から8日の朝にかけて暴風が火の勢いを煽った。その風速は最大で時速145kmに達した。 消防当局の報告によると、夜間の2時間半でパリセーズ火災の規模は倍以上に拡大したという。 8日の夜には風があまりにも強く、水や消火剤を投下するための航空機が飛行不可能な状況に陥った。 この現象について、科学者たちは以前から警告していた。つまり、強風と乾燥した広大な土地(今まさに炎に包まれているロサンゼルスの低木地帯のような環境)が組み合わさることで、消火活動が追いつかないほどの速さで拡大する火災になるということだ。 「火災がここまで速く拡大しているのは確かに異例のことだ」と、英国水文学研究所のダグラス・ケリー(Douglas Kelley)は Business Insider に語っている。 「火災発生時点で、その地域に住む多くの人々が予想していたよりも、間違いなくかなり速く進行している」 2023年10月にサイエンス誌で発表された論文によると、過去19年間にアメリカで発生した火災のうち、「高速火災(fast fires)」に分類されるのは約3%に過ぎないが、それらが甚大な被害を引き起こしていることが判明した。 コロラド大学ボルダー校のジェニファー・バルチ(Jennifer Balch)を筆頭著者とするこの論文には、「アメリカ史上最も破壊的で致命的な山火事も高速火災だった」と記されている。 2001年から2020年の間に焼失した建造物の78%が高速火災によるもので、消火コスト全体の61%、すなわち189億ドル(約3兆円)相当が、高速火災の消火に投じられた。また、この種の火災は頻度が増加しているという。 今回、暴風が発生していたことは不運だったといえるが、火災の急激な拡大を引き起こしたもうひとつの主要な要因である「燃料」は、気候危機と強く結びついている。