トランプ氏、一律10~20%の関税発動へ「緊急事態」の宣言検討…日本の自動車にも打撃の可能性
【ワシントン=田中宏幸】米CNNは、トランプ次期大統領が輸入品への一律関税を実現するため、「緊急事態」の宣言を検討していると報じた。安全保障上の脅威を理由として、相手国に関税を課す広範な権限が得られるものだという。実行されれば、米国に多数の自動車などを輸出している日本にも打撃となる。 【写真】トランプ氏ら歴代の大統領が参列した国葬
事情に詳しい関係者の話として伝えた。トランプ氏は昨年の大統領選の期間中から、全ての輸入品に一律10~20%の関税をかける方針を掲げてきた。
報道によると、トランプ氏が検討しているのは、「国際緊急経済権限法(IEEPA)」に基づく緊急事態宣言。同法は、安全保障や米国経済などへの重大な脅威となる相手国に対し、大統領が緊急事態宣言を発令し、輸出入や外国為替取引に規制をかけることができると定める。通商法などを根拠とするよりも、迅速に関税を発動できる。
関係者は「国家緊急事態を宣言するかどうかの最終決定は、まだ下されていない」と語っているという。
トランプ氏は2019年、メキシコに対してIEEPAを適用する意向を示し、不法移民対策を強化しなければ全ての輸入品に5%の関税を課し、さらに25%に引き上げると表明した。最終的には両国で合意に至り、発動は見送られた。