「不易流行」やっぱりランクル。ランドクルーザー250こそシリーズのど真ん中だ
300と同じGA-Fプラットフォーム採用
その250は300シリーズと同じGA-Fプラットフォームを採用している。ランドクルーザー伝統のラダーフレームだ。プラットフォームを一新したことで軽量化を果たしつつ、150プラド比で150%の高剛性を実現している。剛性が高いフレームを軽く作るのは難しかったが、非線形テーラードウェルドブランクと呼ぶ、異なる厚みの鋼板をレーザー溶接でつなぎ合わせたうえでプレス成型する技術を適用したことで、高い強度・剛性と軽量化を両立させることができた。 GA-Fプラットフォームに300と異なるボディを載せるだけではつまらない。250の開発にあたっては、フロントオーバーハングの短縮とボディの四隅をそぎ落とすことにこだわった。その理由を森津氏は次のように説明する。 「私が考えるクルマの理想形は、屋根が小さく見えてタイヤが四隅に配置されていること。それが一番カッコイイですし、性能的にも一番いい。まずは、それを実現したかった。さらに300との差別化を考えた場合に、扱いやすさを追求したいと考えました。250は生活に必要なクルマだからです。そこで、角をしっかりそぎ落として取り回しを良くしたい。そこもポイントでした」 プラットフォームの基本構造は300と同じだが、サイドフレームは短くしている。困難を極めたのは衝突安全性の確保で、そのために開発を3ヵ月ほど止めたという。それほどのこだわりが詰まっているということだ。衝突安全性を確保するためサスペンションの取り付け点を動かしたり、車軸より前にあったスタビライザーを後ろに動かしたりするなどの調整を行ない、衝突の際に「しっかりつぶすエリア」を確保した。 短いオーバーハングと角の切り落とし効果もあり、ランドクルーザー250は引き締まったボディと張り出したタイヤによる圧倒的な安定感を実現している。悪路で当たりにくくするためにランプやグリルを中央に寄せたことで、ランドクルーザー伝統の機能美を生み出してもいる。 エンジン形式:直列4気筒DOHCディーゼルターボ エンジン型式:1DG-FTV型 排気量:2754cc ボア×ストローク:92.0mm×103.6mm 圧縮比: 最高出力:204ps(150kW)/3000-3400rpm 最大トルク:500Nm/1600-2800rpm 過給機:ターボ 燃料供給:コモンレール式筒内燃料直接噴射 使用燃料:軽油 燃料タンク容量:80L トランスミッション:8速AT パワートレーンは2種類。2.8L直列4気筒ディーゼルエンジン(最高出力150kW、最大トルク500Nm)と8速ATの組み合わせ、それに、2.7L直列4気筒自然吸気ガソリンエンジン(最高出力120kW、最大トルク246Nm)と6速ATの組み合わせだ。ディーゼルは力強い走りがウリ、ガソリンは良品廉価の位置づけである。 250はランドクルーザーで初となる電動パワーステアリング(EPS)を採用したのもポイントで、これにより「オフローダーの基本性能を追求するとともに、どんな道でも、誰でも扱いやすく楽しい走りを実現している」と説明する。ランドクルーザーの真ん中としての役割と価値を受け継ぎながら、時代に応じた新しい価値を付加したのが250だ。 トヨタ・ランドクルーザー250 ZX "First Edition" 全長×全幅×全高:4925mm×1980mm×1935mm ホイールベース:2850mm 車重:2410kg サスペンション:Fダブルウィッシュボーン式 Rトレーリングリンク車軸式 駆動方式:4WD エンジン形式:直列4気筒DOHCディーゼルターボ エンジン型式:1DG-FTV型 排気量:2754cc ボア×ストローク:92.0mm×103.6mm 圧縮比: 最高出力:204ps(150kW)/3000-3400rpm 最大トルク:500Nm/1600-2800rpm 過給機:ターボ 燃料供給:コモンレール式筒内燃料直接噴射 使用燃料:軽油 燃料タンク容量:80L トランスミッション:8速AT WLTCモード燃費:11.0km/L 市街地モード8.5km/L 郊外モード11.0km/L 高速道路モード12.6km/L 車両価格:785万円
世良耕太