【減量専門医が明かす】「親が太っていると、肥満になりやすい?」の明白な答え
厳しい食事制限、ハードな運動でなかなか長続きしないダイエット。ところが、イギリスで話題の減量プログラムは「意志力は不要」「食事は満腹感を重視」「カロリーや糖質計算なし」で、参加者たちは平均16キロ減量、糖尿病の改善、血圧低下など、科学的に効果が実証された。 名門大で食欲や体重管理を研究し、プログラムを考案した減量専門医サイラ・ハミード氏の著書『英国の専門医が教える 減量の方程式』は、ダイエットが三日坊主で終わる人、年末年始食べ過ぎた人、確かな減量法を知りたい人にぜひ読んでほしい1冊だ。14の減量プログラムを収録する本書から、今回は「肥満遺伝」について、特別に抜粋してお届けする。 ● 太っている人が一度は考えること 何度もダイエットに挑戦しているのに、うまく体重を減らせず……「なんで私はこうなのだろう?」と思ったことがある人もいるかもしれません。私の患者の多くも同様です。「他の人は痩せているのに、なぜ私はずっと体重の問題を抱えているのだろう?」と考えてしまうのです。 もし、あなたが今、痩せられないことに対して自分を責めるような考え方をしているのであれば、その考え方からそっと離れることを提案します。そして、「なんで私はこうなのだろう?」という問いに対する別の答えを伝えたいと思います。 それは、あなたの遺伝子です。 ● 肥満遺伝子は存在する 遺伝子の働きによって、上の世代から下の世代へと様々な特徴が受け継がれます。体重も、そのひとつです。 研究によれば、あなたの体重の最大7割は遺伝子によって決まります。これは遺伝子が身長に及ぼす影響よりもわずかに小さい程度です。 私たちは、瞳や肌の色が親から子へと遺伝するのを知っているのと同じように、身長が親から子へと遺伝すると理解しています。しかし、こうした明らかな遺伝的特徴だけでなく、遺伝子が体重にも影響していることは、あまり知られてはいません。 これはあなたが知りたくなかった科学的事実かもしれません。咄嗟に、「体重が遺伝子の影響を受けているなら、遺伝子は変えられないので、私が痩せるのは無理なのだろうか?」と心配になったかもしれません。 でも、心配しないでください。本書で説明するように、「自分の遺伝子に合った食べ方」をすることによって、つい食べ過ぎてしまう人もそれを大幅に改善できるようになります。 つまり、私が伝えようとしているのは、あなたにとって悪い知らせではなく、良い知らせなのです。 自分がどんな体重関連の遺伝子を持っているか、その遺伝子に合うのはどんな食べ物かをよく理解すれば、自分にとって最適な体重で生活できるようになります。 (本稿は、『英国の専門医が教える 減量の方程式』を一部抜粋・編集したものです)
サイラ・ハミード/児島 修