SNS投稿で炎上…「産休クッキー騒動」が映し出した日本の職場の問題点
■柔軟な職場に
「SNSがないときは自分の中で処理していた感情も、今は発信すると『私も』『私も』となり、〝炎上〟が見えてしまう。(批判的な人は)数としては、そこまで多くはないのではないか」
法政大キャリアデザイン学部の武石恵美子教授はこう語る一方、今回の「産休クッキー」を巡る騒動を契機に、産休や育休、復帰後の短時間勤務など多様な働き方が議論されるのであれば「前向きに捉えていい」と話す。
産休や育休などの制度利用の現状を巡っては硬直的な職場環境に課題があるとし「個々の事情に配慮しつつ、短時間勤務やフレックスタイムなどを組み合わせた柔軟なマネジメントが必要だ」とも指摘。
「(産休や育休をとった社員が)復帰後に例えば40歳だとして、まだ20~30年のキャリアがあることを考えると、社員のモチベーション低下やキャリア停滞などを招く方がダメージは大きい」と、中長期的な視野に立って職場の柔軟性を高める取り組みの重要性を強調した。(山本玲)