「本州最北の駅」に行ってみた 寂れた終着駅と思ったら全然違う! 隣には謎の「てっぺんの終着駅」も
下北駅は観光と交通の拠点
大湊駅の1つ手前にある下北駅は、観光地というよりも、地域の交通・観光の拠点といえる場所です。 駅舎と駅周辺は2007年から整備事業が開始され、駅舎が新しくなっただけでなく、駅周辺にも観光案内所、駐車場、バス・タクシープールなどが整備されました。 特にバスは複数の路線が乗り入れており、東京・新宿発の国際興業バスの夜行高速バス「しもきた号」や、観光地である恐山行きの路線バス(季節運行)もこの駅が乗り場となっています。公共交通機関を利用する観光客にとって、下北駅は交通の拠点的な場所だといえるでしょう。 なお、駅はむつ市の中心部にあたるため、周辺にはチェーン系の飲食店や販売店、それにホテルなどがあり、利便性も非常に高いといえます。 また、下北駅は観光客だけではなく、地元の人々も遠方に行く場合に利用しているようです。これは大湊駅も同様なのですが、むつ市では駅駐車場を日をまたいで利用することを認めていることから(駐車7日以降は警告あり)、車で駅までやってきて、そこから大湊線経由で八戸駅や新青森駅まで出て、新幹線に乗り継ぐ人が多いようです。実際、筆者が訪れた日も、キャリー付きの旅行カバンを持った人々が、新幹線の乗車券を求めて構内の窓口に列を作っていました。 このように、大湊駅と下北駅は隣接してはいるものの、それぞれに特徴がある駅だということがわかります。むつ市とその周辺には見どころが複数あり、これら駅を起点に観光スポットに向かうことが可能です。 もし観光で訪れるのであれば、目的地だけでなく近傍の駅も訪れてみると面白いでしょう。写真では見つけることのできない、小さな発見があるかもしれません。
布留川 司(ルポライター・カメラマン)