タスマニア島生まれのタフなブーツ「Blundstone(ブランドストーン)」の名品「ORIGINALS(オリジナルス)」を徹底解剖
ヒントは「The Beatles(ザ・ビートルズ)」のチェルシーブーツ
1969年、現代まで定番として愛されるORIGINALSが誕生する。歴史と技術は継承しつつ新しいアプローチで生まれた一足のようだ。
「ORIGINALSのブーツは当時世界的に流行っていた『The Beatles(ザ・ビートルズ)』時代のチェルシーブーツがデザインソースになっていまして、モッズなどの流れにいくのではなく、ミリタリーやワークの要素、快適な履き心地と耐久性は残しつつ、ファッションという位置付けで履けるデザインとして誕生したということです」
ORIGINALSのソールと革
ORIGINALSは今日までそのデザインが大きく変わることなくリリースされているが、素材や製法はアップデートし続けているという。ここからはORIGINALSのものづくりの部分をお話しいただこう。 「まずソールのお話をさせていただくと、1980年代はPVC(ポリ塩化ビニル)素材を使っており、その後PU(ポリウレタン)、現在はTPU(熱可塑性ポリウレタン)と、時代と共にソールの原材料は移り変わっていきます。1980年代からはソール成型とアッパー接着を同時に行うインジェクション製法という、接合部に隙間がなく、密着性が高い製法で作られています。 これには水の浸入を防いだり、ソールの剥がれなどにも強かったりという特徴があります。このインジェクション製法の靴は、ドイツのデスマという機械で作られるのがポピュラーなものになっています。
アッパーの革は耐水性のある油性仕上げ剤を施したプレミアムレザーといわれる品質の高価な牛革を使っているのですが、皮革産業の厳格な国際基準LWG(レザーワーキンググループ)から認証されたなめし工場のものを使っています。 ディテール的にはサイドゴアのルックスを基調としつつも履き口についたプルストラップは、ORIGINALSの大きな特徴となると思います。指を入れて前後に引っ張って履くこの仕様はリリース当初から変わっていません」