北國銀行、「預金型ステーブルコイン」を開始──能登震災復興にも一役【取材】
トチカの全国展開、世界展開は?
トチカは個人向けの支払い決済サービスだが、北國銀行は将来的に事業者間(B-to-B)の送金などでも利用できるサービスに拡大する方針だ。 「まずは世の中にトチカを早く送り出すことを最優先に考え、最も適した手段は何かを議論した結果、預金型ステーブルコインという形だった。当局との対話、マネーロンダリング等、超えるべき壁があることは理解しているが、安全・安心かつスピードローンチという目線だ」と寺井氏は話す。 北國銀行は今後、既存の決済インフラと共存する新たな選択肢というコンセプトの下、当局との対話を重ねながら海外送金といった機能を拡充させ、よりオープンな決済インフラを整備することを目指していくという。 石川県以外の都道府県の金融機関が、トチカと類似するステーブルコインの発行体となれば、互いのサービスで互換性を持たせることで、国内の広い地域で利用できるようになる。 寺井氏は、「日本におけるステーブルコインのプレイヤーの方々とは、アプローチの方法が異なるだけで、理念は同じだと思っている」とした上で、「トチカだけでは足りないもの、実現できないことがまだまだ多くある。たくさんの方々と協業していきたい」と述べた。 |インタビュー・文:佐藤 茂|トップ画像:金沢市にある北國フィナンシャルホールディングスの本社ビル(撮影:筆者)
CoinDesk Japan 編集部