元横綱・曙が死去 闘病していた「心不全」の前兆となる5つの症状を医師が解説
心不全になりやすい人の特徴
若者と比較すると、身体機能の落ちる高齢者ほど心不全のリスクが高くなります。また、高齢者では高血圧症や脂質異常症など併存疾患が増える傾向にあり、増悪のリスクも高いため適切な治療および経過フォローが必要となります。 【併存疾患】 年齢や生活習慣にも関連しますが、併存疾患が多いと心不全のリスクが増大することが多いです。 中でも喫煙や肥満、高血圧症や脂質異常症、糖尿病や弁膜症、不整脈などを持っている人では持っていない人と比較して心不全を発症するリスクが高くなります。そのため、併存疾患がある場合には適切な治療を受けて心不全リスクを減らす必要があります。
すぐに病院へ行くべき「心不全の前兆」
ここまでは心不全の前兆を紹介してきました。 以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。 『息切れがひどい場合や食事も摂れない場合は、循環器内科へ』 心不全ではさまざまな症状が現れますが、中でも息切れ・呼吸困難が増悪したり、夜間に咳・痰がひどくて仰向けで眠れない場合、動悸が頻繁になり日常生活に支障を来す場合や全身倦怠感が強く、食事も摂れないようなケースではすぐに医療機関を受診すべきと言えます。 上記のようなケースでは内科、循環器内科などを受診して心不全やその他症状の原因となる疾患が存在していないか、精密検査を受けるようにしてください。 その際、症状がいつから起こっているのか、どんな時に悪くなるのか、などはすぐに答えられるようにしておくと診察をスムーズに受けられます。 【受診・予防の目安となる「心不全の前兆」のセルフチェック法】 ・普段と異なる息切れ、呼吸困難感がある場合 ・下肢のむくみが気になる、体重が徐々に増加傾向にある場合 ・全身倦怠感や食欲不振が続く場合 ・咳や痰が増加する場合 ・動悸、脈の飛びなどを自覚する場合
心不全を予防する方法
【食事】 食事については、心不全のリスクを上げる原因になる高血圧症、脂質異常症、糖尿病などの治療と共通の注意が必要です。具体的には、塩分や脂質の摂取量に注意するとともに総カロリーが多くならないように適度な量に留める必要があります。 また、年齢とともに筋力が低下して運動量が低下しやすいため、筋量を維持するために良質なタンパク質をしっかりと摂ることも重要です。 【運動】 心不全の予防、および発症後の進展予防には適度な運動が重要です。激し過ぎる筋力トレーニングなどは血圧上昇の原因となることもあるため、30分程度の有酸素運動が推奨されます。 最初は週1-2回から始めて、慣れたら毎日無理のない範囲で続けることを目指しましょう。 【定期的な健診】 心不全の予防のためには、定期的な健診も重要です。心不全のリスクを上げる高血圧症や脂質異常症などに加えて、不整脈や弁膜症がないかも定期的なチェックを忘れずに受けるようにしましょう。