韓国の自営業向け貸付過去最大1064兆ウォン…年末特需消え返済の見通し暗く
自営業者向け貸付残高が増え続け1064兆ウォン(約114兆円)を超えた。売り上げが回復すれば負債を返せるが、戒厳・弾劾という政治的問題で忘年会など年末の特需まで期待するのが難しくなった。来年も自営業者の利子負担と延滞率上昇傾向が続くという見通しが出ている。 韓国銀行が野党「共に民主党」の楊富男(ヤン・ブナム)議員室に提出した資料によると、9月末の自営業者の全金融期間からの借入残高は過去最大となる1064兆4000億ウォンを記録した。前四半期末の1060兆1000億ウォンより0.4%増加した。前四半期比の自営業貸付増加率は昨年10-12月期に0.1%に下がり落ち着くように見えたが、今年に入り1-3月期が0.3%、4-6月期が0.4%と再び上昇した。内需沈滞が続きコロナ禍当時に借入を大挙増やした自営業者がこれを返済するのが難しくなったためだ。 韓国銀行は7-9月期末の自営業者の貸付延滞額を18兆1000億ウォンと推定した。4-6月期末の15兆9000億ウォンより2兆2000億ウォン増え過去最大記録を塗り替えた。自営業者の全金融機関延滞率は1.7%で、2015年1-3月期の2.05%から9年6カ月ぶり高水準となった。金融機関別の個人事業者貸付延滞率を比較すると、貯蓄銀行が11.0%、相互金融が4.37%などで、銀行の0.61%より高くなった。自営業者の中でも貸付金利が高いノンバンクの貸付に頼った自営業者の困難が加速したという意味だ。 実際に複数の金融機関から貸付を受けた債務者で所得が少なかったり信用が低い「脆弱自営業者」の貸付延滞率は7-9月期末に11.55%まで上昇した。2013年7-9月期の12.02%以降で最も高く、過去最高値だった2012年7-9月期の13.98%に近い水準だ。 今後金利が下がれば利子負担が減り、崖っぷちから抜け出せるとの期待は減っている。内需回復の兆しが見られないためだ。「共に民主党」の金鉉正(キム・ヒョンジョン)議員がKB国民カード、新韓カード、サムスンカード、現代カードから取り寄せた資料によると、今月1~20日のカード4社の売り上げは28兆2045億ウォンで、先月の同じ期間の28兆7997億ウォンより2.1%減少した。 通常年末には忘年会などの会合や会食が集中し売上額が増加する傾向をみせる。しかし今月初めの非常戒厳とその後の弾劾政局の余波により飲食店と遊興酒店を中心に売り上げ減少傾向が大きかった。例えばサムスンカードの1~20日の一般飲食店売り上げは前月より4.1%、同じ期間のKB国民カードの遊興業売り上げは7.7%減少した。飲食店や居酒屋などは代表的に自営業の割合が高い業種だ。