南陽工(山口)の2年阿部投手、「強い気持ち」貫く OB故津田恒美さんの座右の銘「弱気は最大の敵」に恥じぬ投球 全国高校野球選手権大会1回戦
【1回戦 菰野6―2南陽工】14安打を打たれても、弱気にならず、腕を振った。2―5の九回、1点を追加され、なお2死二塁。127球目、自己最速タイの140キロの直球で空振り三振を奪った。 6失点で敗れた2年生右腕は「甲子園のレベルが高かった。自分のレベルが低い」とうなだれた。それでも「全部ストライク勝負はできた。常に気持ちは強くある」ときっぱり。同校OBの故津田恒美さんの座右の銘「弱気は最大の敵」に恥じない投球だった。 ベンチでは丸山主将から「俺らが何とかするけえ」と励まされ続けた。0―3の六回には死球と2安打で2失点。「気持ちに応えられず悔しい」と責任を背負い、3年生と一緒に泣き崩れた。 主軸を任された打撃では3安打。菰野は先発全員が2年生で「同学年に負けたくなかった」と意地は見せた。「もっとトレーニングしてここに戻ってくる」。1978年の津田さん以来となる夏の勝利を来年こそ果たしてみせる。
中国新聞社