ANA、25年3月期最終益30%減1100億円予想 減免・補助金減、整備増が影響
全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)が4月26日に発表した2024年3月期通期連結決算(日本基準)は、純利益が前期(23年3月期)比75.6%増の1570億9700万円だった。国際旅客収入が初めて国内を上回り、営業益は過去最高の2079億円となり、営業利益率は初めて10%を超えた。 【写真】ANA 787-10国内線仕様機の機内と外観 一方、同時に発表した2025年3月期の通期業績予想は、純利益は2024年3月期比30.0%減の1100億円を計画。売上高は過去最高を見込むものの、公租公課の減免・補助金の減少、整備費や人件費の増加などで営業費用が膨らむことなどが減益要因となる。 ◆24年3月期 2024年3月期通期の売上高は前期比20.4%増の2兆559億2800万円、営業利益は73.2%増の2079億1100万円、経常利益が85.7%増の2076億5600万円の増収増益となった。 営業費用は16.4%増の1兆8480億円で、営業利益率は3.1ポイント上昇し10.1%。国際旅客は北米・アジアを中心に訪日需要を取り組み、イールドを高水準でコントロールしたことで、過去最高の収入となった。国内旅客はレジャー需要が好調だったことから、運賃の値上げにより客単価を押し上げた。一方、国際貨物は主要商材の需要が低迷したことで、貨物専用機(フレイター)の稼働を抑えた。 配当は期末配当が1株50円で5期ぶりの復配となり、これまで想定していた30円から増額する。 ◆25年3月期予想 2025年3月期通期の連結業績予想は、売上高が2024年3月期比6.5%増の2兆1900億円、営業利益が18.2%減の1700億円、経常利益が22.9%減の1600億円、純利益が30.0%減の1100億円を見込む。 営業費用は、運航規模に連動する費用増に加え、減免・補助金の減少、コロナ期間に抑えていた整備の増加、人件費増により、1719億円増の2兆200億円となる見通し。 配当は期末配当1株50円を想定している。
Tadayuki YOSHIKAWA