「かわす」ポーズで自分を守る。【Dr.高尾美穂のカラダとココロの整え方】
なぜこんなことが私の身に起こるの? と、戸惑ったり、怒りを覚えたり。対処するべきことはした上で、どうするか。このポーズをしながら考えてみましょう。
〈かわす〉“身を固く、小さくするのも知恵。かわしてから、次に進もう。”
理不尽なできごとに巻き込まれてしまったことってありませんか? いわゆる、とばっちり。自分が原因なら反省もする、謝罪もする。でも、飛び火してきたら、様子を見つつ、じっとして身をかわすのが最善策です。 自分を守るときに、生物はカラダを小さく、固くします。ゲームのマリオだって(古い?)、チビマリオから2倍の大きさのスーパーマリオになって強くなるけれど、敵の攻撃も受けやすくなるではないですか。 ヒトの場合は、自然とカラダを二つに折って弱点であるお腹を守りますね。そのとき、あおむけで手足を縮めますか? いえ、攻撃されたら脆い。うつ伏せがいいですか? いや、それでは周りを見回すことができない。 小さくいられて、かつ周囲の様子を窺(うかが)い知ることができるのは、横向きなんです。さらに、横向きなら次の行動にすぐ移すことができます。 ここが肝心なところです。 ものごとをかわしても、かわすこと自体がゴールじゃない。かわした上で次に進む。それが目的です。 この姿勢は、人生のスキルとして身につけておきましょう。自分のせいじゃなく起こるできごとって、世間にはいっぱいありますから。放っておけば過ぎゆくことに、いちいち反応せず、様子見することは立派な知恵です。
高尾美穂 さん たかお・みほ 産婦人科医 イーク表参道副院長、婦人科スポーツドクター、産業医として、働く女性をサポート。最新刊『こうしたらきっとうまくいく 心がフワッと軽くなる82のヒント』など、著書多数。
撮影・森山祐子 イラストレーション・SHOKO TAKAHASHI 構成&文・越川典子
『クロワッサン』1126号より
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