市立長野が県2連覇の松本国際を撃破! 前半3得点から試合巧者ぶり発揮…3年ぶりの決勝へ:長野
[11.3 選手権長野県予選準決勝 松本国際高 1-3 市立長野高 サンプロアルウィン] 【写真】影山優佳さんが撮影した内田篤人氏が「神々しい」「全員惚れてまう」と絶賛の嵐 2連覇中の王者に対し、最後まで“市立スタイル”を貫いた。 4-4-2の市立長野高に対し、松本国際高は3-4-2-1。システム上のミスマッチがありながらも、開始からお構いなしにハイプレスを仕掛けてきた。 2分、松本国際が高い位置でボール奪取。その流れからFW稲吉海斗がクロスを上げると、DF宇留賀大希のヘディングがポストを叩く。5分後にもCKから稲吉が頭で合わせたが、今度はDF永泉瑠大がゴールをカバーした。「スタートで2失点してもおかしくなかった」と芦田徹監督。キャプテンのDF小出清士郎からしても「奇跡的なところもあったけど、そこを乗り越えられたのは大きかった」。 ピンチの後にはチャンスがあった。8分、バックパスを受けた相手GK荒川弘樹に対し、最前線のFW金子陽太が猛プレス。そのままボールをかっさらい、無人のゴールに流し込んだ。2度のピンチを凌いだことも含め、見方によればラッキーなのかもしれない。それでも松本国際と同様、ミスマッチを恐れずにハイプレスを仕掛けた結果と捉えられる。 20分にはスローインの流れからMF山口櫂生が追加点を決め、43分にも小出のPKで3点目。3分後にFW吉村大樹に1点を返されるも、まだリードは2点あった。前がかりに来る王者に対し、ロングボールで逃げたくなるのが普通だろうが、市立長野にその選択肢はない。前半から勇敢にビルドアップを試み、後半もそれを貫いていった。 「相手が捨て身で来る時には、自分たちは誰かが空いている。ボランチの背中だったり、練習してきた通りに狙っていた」とセンターバックの小出。芦田監督も「蹴ってしまったら最後に耐えられない。我々がボールを持って、少しでも相手のエネルギーを奪わないといけなかった」と話す。 その言葉通りにボールを保持しつつ、今年のチームは背後も武器としている。最前線はスタメンの金子、途中出場のFW傳田唯都とスピードスター揃い。サイドハーフのMF清水優咲は鋭利なドリブル突破を有している。足元に固執するのではなく、彼らの能力を生かしながらシンプルに背後も狙う。それを使い分けられるのが強みだ。 後半は押し込まれながらも強みを生かし、防戦一方になることはなかった。試合巧者ぶりを発揮し、3-1と快勝して3年ぶりの決勝へ。「(相手の)上田西はすごく強みのあるチーム。後悔を残さないように戦ってもらいたい」と指揮官。相手がどう来ようとも、市立スタイルを貫くことに変わりはないだろう。 (取材・文 田中紘夢)