<炭水化物抜き><ロカボ>大ブームの低糖質ダイエットで「やせた」は勘違い!中年太り解消にさほど効果なし、長期的には体重が増えやすくなる可能性も…
◆低糖質ダイエットは太る? 『ネイチャーメディシン』という医学誌に掲載された論文に、低脂質の植物性食品がベースのダイエットと、動物性の食品がベースのダイエットを比較した研究があります。 前者は野菜を多くして脂質を減らす、従来の王道的なダイエット法。後者は低糖質だけど脂質が多い食事。つまり低糖質ダイエットのような食事です。 この2つのグループに分けて、ビュッフェスタイルで、好きなだけ食べてよいという方法で研究は行われました。 すると、植物性食品がベースの低脂質の食事のほうが、摂取カロリーが少ないことがわかりました。 一方、糖質制限の脂質が多いグループは、同じくらい食べていても、摂取カロリーが増えてしまいました。その理由は、1gあたりのカロリーは、脂肪が9キロカロリーなのに対して、糖質は4キロカロリーとなっているからです。 ここに低糖質ダイエットの落とし穴があります。糖質を減らして、脂質とたんぱく質でお腹いっぱいにしようと思うと、結果的に摂取カロリーが増えてしまうので、長期的には体重が増えやすくなってしまうわけです。
◆脂肪肝のリスク 結局、低糖質の食事をしても、中年太りの解消にはそれほど効果がないということです。低糖質ダイエットをしても、総エネルギーが総摂取エネルギー消費量を超えないようにコントロールできればよいのですが、それができる人は極めて少ないと思います。 食事において、たんぱく質は重要ですが、動物性たんぱく質、すなわち肉をたくさん食べると、肉の脂(脂質)も一緒に摂ってしまうことになります。 もちろん、アスリートの食事のように、脂質の少ない鶏肉のささみだけ食べるなら、低糖質ダイエットでも効果があるかもしれませんが、誰にでもできることではありません。ですから、私は低糖質ダイエットをおすすめしていません。 もう1つ、低糖質ダイエットをおすすめしない理由があります。それは低糖質の食事を続けると、脂肪肝のリスクが高まるからです。 同じ体重でも、低糖質の食事の人とそうでない人では、脂肪肝の割合が増えるというデータがあります。脂肪肝は、肝硬変のリスクを高めるので、この点からも、中年太り改善のために低糖質ダイエットはおすすめしません。 ※本稿は、『科学がつきとめた 中年太りのすごい解消法』(エクスナレッジ)の一部を再編集したものです。
山田陽介
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