先日、いとこが「18歳」から年金の保険料を払っていると聞いて驚きました。収入があると「20歳前」から払うものなのでしょうか?
「20歳になったら国民年金」というフレーズをよく耳にするせいか、年金の加入は20歳からだと思い込んでいる人も多いのではないでしょうか。そのように思っていた人は、まだ18歳のいとこが年金の保険料を払っていると聞くと驚いてしまうものです。 しかし、年金には国民年金と厚生年金があり、厚生年金では、20歳になる前に年金保険料を払うのは珍しいことではありません。 そこで本記事では、国民年金と厚生年金の加入要件の違いや10代で保険料を支払うケースを説明します。さらに、年収300万円の人を例に、18歳から年金保険料を支払った際に増える年金受給額なども解説しますので、参考にしてください。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
国民年金と厚生年金の加入要件は異なる
まず、公的な年金制度である国民年金(基礎年金)と厚生年金の加入要件や制度の違いを理解しましょう。年金制度は国民年金と厚生年金の2階建てになっており、1階部分が国民年金です。国内に居住する20歳以上60歳未満のすべての人に加入が義務付けられているため、20歳になると必然的に年金保険料を支払う義務が生じます。 一方、2階部分に相当するのが厚生年金です。厚生年金は、70歳未満で、常時従業員を使用する法人事業所や官公庁、5人以上雇用している個人事業所などに勤めていれば、加入が義務付けられます。パートやアルバイトであっても、労働時間や賃金が一定以上であれば加入して保険料を支払わなければなりません。 図表1
日本年金機構 公的年金制度の種類と加入する制度 つまり、20歳になると加入義務が発生する国民年金に対し、会社で働いて給与をもらうことで加入する厚生年金では、加入要件が根本的に異なります。保険料にも大きな違いがあり、国民年金は定額で月1万6980円(令和6年度)なのに対し、厚生年金は報酬に応じて保険料が定められ、負担は会社と被保険者の折半です。 そのため、国民年金は20歳にならないと保険料を支払うことはありませんが、厚生年金は10代で就職した場合、高校卒・中学卒に関係なく、給与の中から保険料を負担することになります。 図表2