陣内貴美子news every.卒業 “1つ1つの言葉を大切に" 前身番組から20年半
■体当たりで伝えてきた選手のすごさ
競技の難しさや選手の強さの秘訣を、自ら体験することでも伝えてきました。 空手の植草歩選手(当時)の取材では、目線カメラを装着し中段突きを体感。さらに、相手との間合いをはかるステップのためのトレーニングで植草選手とスピード勝負も…あえなく敗戦。悔しそうな表情を見せました。 そして、パリ五輪を控えた2023年には世界女王・北口榛花選手の取材を前にやり投げに挑戦。投げることはできましたが、やりが地面に刺さらず納得いかない様子の陣内キャスター。還暦手前の59歳にしてやりを投げ続けますが、地面に刺さることなく「悔しい」を連呼。競技の難しさを肌で感じ、伝えてきました。
■大切にしてきた言葉の重み『寄り添うことも傷つけることもある』
2010年3月からはnews every.のメインキャスターに。 その翌年の2011年、日本をおそった東日本大震災では被災地の福島や宮城、岩手を訪れ被災者の思いを取材しました。 2015年には福島へ。原発事故の影響で緊急時避難準備区域に指定された広野町で、一時活動中止となっていた少年野球チームを取材。避難先で苦しい思いをした子どもたちが、元気いっぱいに野球をしている姿を見守りました。 避難先では、周りを気にして大きな声を出したり体を動かすという、子どもが子どもらしくあることができない状況だったことを聞き「放射能の影響を気にする声が確かにあったということですが、その心配よりも自分の子どもを元の元気な姿に戻してあげたいという親のそんな気持ちに胸を打たれました」と、コメントしました。
■故郷も被災…2016年熊本地震
2016年4月には故郷・熊本が被災。甚大な被害に見舞われた故郷を翌月訪れ、熊本城を取材しました。 高校時代、トレーニングでランニングをしていた思い出の地でもある熊本城。石垣の多くが崩れ落ち、角の一列だけの石で支えられている故郷のシンボルを目の当たりにし「しっかり踏ん張っていた。ギリギリのところで頑張っている熊本の人の“どんなことがあっても負けない”という気持ちを表しているようにも見えた」と、ふるさとへの思いを語りました。
■コロナ禍 戦えないアスリートを思い“涙”
2020年には新型コロナウイルスが蔓延。スポーツ界にも大きな影響が広がり、東京五輪が延期、そして国内でも大会が相次いで中止となりました。 高校生たちの夢の舞台・高校総体が中止になった際には「悔しい思いや残念な思いは、とてもよく理解できます。それでも、自分自身や日本中で頑張ってきた友人の命を守るための中止であれば、それは優勝するよりはるかに価値のある中止だと思います。スポーツを超えた人生の経験を積んだと考えてしっかり前を向いてほしいと思います」と、涙ながらに高校生たちへメッセージを送りました。