共働き家庭の苦悩「不登校の子をひとりにするのが心配」…中学3年生の娘が学校に行けるようになった〈たった1つの親子の約束〉【ライフキャリアコンサルタントの助言】
カウセリングだけで対処できないケース
この時期に子どもについての悩みごとがあれば、まずは学校や行政が配置しているスクールカウンセラーに相談することになります。子どもの成育歴から親のかかわり方などを、子ども・親双方から丁寧に聞き、その親子にとって最善のアドバイスをしてくれます。 しかし、不登校の子が増え、その理由・原因・状態も多様化しているなか、すべての人が満足いくカウンセリングを受けられるとは限りません。カウンセラーとの相性もありますし、カウンセリングだけで対処できないケースもあります。 学校へ行けない本人がいちばんつらいとわかっていても、親も苦しい気持ちで押しつぶされそうになることもあり、冷静な判断ができなくなることもしばしば起こります。 そのようなときは、「子どもの課題」「自分の課題」「共通の課題」に分け、整理してみるとよいでしょう。たとえば、「子どもが学校へ行かない」ことは、「子どもの課題」です。仕事をどうするかは「あなた自身の課題」。心が不安定な子どもを、ひとりで家に置いていくことに対するリスクは「共通の課題」と考えられます。 子どもの課題 「子どもの課題」は子ども自身が解決していくしかありません。そこに必要なサポートや時間は、子どもによっても違います。無理やり学校へ行かせることが目的ではなく、子ども自身が自分の悩みと向き合い、どうすれば克服できるのかを考え、乗り越えていくことが目的なのではないでしょうか。 自分の力で乗り越えられた経験は、大きな自信につながっていきます。子どもを信じ、子どものペースに合わせて、待ちましょう。 親の課題 あなた自身は「自分の課題」と向き合うのです。人は自分の課題に向き合うことに苦しさを感じることがあり、向き合わずに放置しがち。 さらによくない結末は、子どもの課題と自分の課題が混ぜこぜになり、何かのはずみで「あなたのせいで仕事ができなくなった」など、自分の課題が克服できなかったことを子どものせいにしてしまうこと。子どもをひとりの人間として尊重し、それぞれの課題を克服できるよう、あなたは自身の課題について考えることが大切です。 親子共通の課題 そのうえで「共通の課題」である、「ひとりにしておくことのリスク」については、親子で話ができるのであれば親子で、話ができる状態でなければ第三者であるカウンセラーや信頼できる人を交えながら考えていけばよいでしょう。