「昭和基地」は南極大陸にはない! 南極隊員に転身した“主婦”が極寒の地で大奮闘
元・南極調理隊員の渡貫淳子さんが、上柳昌彦アナウンサーがパーソナリティを務める、ラジオ番組「上柳昌彦 あさぼらけ」内コーナー『食は生きる力 今朝も元気にいただきます』(ニッポン放送 毎週月・金曜 朝5時25分頃)にゲスト出演。南極昭和基地の特徴や暮らし、南極観測隊を食で支える大変さを語った。
渡貫さんは調理師専門学校を卒業後、同校の職員として勤務。30代になってから南極で働きたいとの思いを抱き、年に一度しか募集のない南極観測隊に応募し、3度目の挑戦で南極行きを実現。2015年12月~2017年3月まで、第57次南極地域観測隊の調理隊員として南極で生活した。
昭和基地は南極大陸から4キロメートル離れた「東オングル島」にある
上柳:この収録前に、渡貫さんから南極ミニ知識みたいなものを聞いて驚いたのですが、南極にある昭和基地は「東オングル島」という島の上にあるんですよね? 渡貫さん:そうです、昭和基地は東オングル島にあるんです。 上柳:つまり、南極大陸ではないんですよね? 渡貫さん:はい。実は、南極大陸から約4キロメートル海を挟んだ島の上に、昭和基地が建っているんです。 上柳:私が生まれた昭和30年代初頭、まだまだ日本は敗戦国で、それでも南極の観測をしたいという強い意志を世界にアピールしたら、「じゃあ、その辺だったら建ててもいいよ」という風に、周りの基地から遠い所を割り当てられたんですよね。 それでも、第1次隊員の方々は本当に精神力で乗り切って、基地を作っていったわけですが、それが後々、“いいこと”に繋がったそうですね。
結果的に「東オングル島」で良かったかもしれない
渡貫さん:「オーロラ帯」という帯状にオーロラが出るエリアがあるんですが、昭和基地はその真下に位置しているんです。 上柳:オーロラが見放題ということですね? 渡貫さん:オーロラ、見放題でした(笑) 上柳:いやあ、すごいですね! 渡貫さん:「宇宙天気予報」というものがあって、本当にその天気予報通りで、「出る」となったら見られましたし、オーロラ担当の方が「今日はいいオーロラが出るよ!」「いいオーロラが出てるよー!」という時は、たとえ寝ていても無線で起こしてくださって(笑) 上柳:昭和基地は夏になると、雪がとけて地面も見えたりするんですよね。でも、他の南極大陸にある基地は氷の上に建っている。 渡貫さん:なので、氷の上にある基地は、少しずつ位置がずれるんです。 上柳:そうなりますよね。海へ、海へと、ちょっとずつ動いてしまいますよね。 渡貫さん:でも、昭和基地は島の上にあるので、いつも変わらない場所に建っています。 上柳:氷の上にある基地は、動いてしまったものを戻す為に、いろんな工夫をしているとか。 渡貫さん:海外の基地では、建物の下にすごく大きなソリみたいな物が付いていたり、ジャッキアップして雪の中に基地が埋もらないようにしたり、さまざまな工夫をしています。