どうして?織田信成 大泣き 最後の大舞台前日に早くも…
フィギュアスケートの世界選手権(来年3月、米ボストン)代表最終選考会を兼ねる全日本選手権はきょう20日、大阪府門真市の東和薬品ラクタブドームで開幕する。19日に公式練習があり、今季限りで引退する織田信成(37=大阪スケート倶楽部)も調整した。11年ぶりの出場となる大舞台。本番前から号泣したベテランは、SPで「マツケンサンバ2」を披露する。 本番前から織田の涙腺が崩壊した。既に今季限りでの引退を表明しており、最後となる全日本。公式練習後の取材に最初は笑顔で応じていたが、珍しく観戦に訪れるという家族の話題になると急に「ちょっと待って、なんで泣いてるんやろ…」と感極まった。この日の出発前には、10年に生まれた長男から「頑張って」と送り出されたと言い「精いっぱい頑張りたい」とティッシュで涙を拭きながら意気込んだ。 22年11月に9年ぶりとなる現役復帰。昨季は近畿選手権を準優勝して西日本選手権を制したが、日本アンチ・ドーピング規程に触れたために出場できなかった。迎えた今季は熟考の末に現役続行を決意しながら「膝、関節的に限界」という理由からラストシーズンに定めた。ファンの前で最後に滑るのは何がいいのか――。SPの曲を探している時にマツケンサンバと出合い「これだ!」と思った。 「マツケンサンバは日本国民のソウルミュージック。みんなが盛り上がれる」。アップテンポな曲調に合わせて4回転―3回転の連続トーループを組み込み、この日の公式練習でも着氷。37歳とは思えない動きを披露し、開会式では選手宣誓を務め「環境や年齢を言い訳にせずに、全身全霊で競技に臨むことを誓います」と抱負を口にした。 08年に制した全日本。ラストダンスを終えた時に広がっている光景とは…。「キスアンドクライが“クライアンドクライ”になるかもしれない(笑い)。泣けるぐらい、自分に感動できる演技をしたい」。日本一を懸けた舞台に、歓喜の涙で別れを告げる。