目利きが選んだ、いま行くべき個性派書店とブックホテル9選
【下北沢】日記屋 月日
古書から音符まで、日記を集めた専門書店 NUMABOOKS代表の内沼晋太郎が、2020年4月にボーナストラック内にオープン。店長の栗本凌太郎は、友人の鍵付き日記を読んだことで日記に興味をもつことに。スタッフ募集を呼びかけた内沼と話し、「嘘みたいにも思える日記の店を実直にやろうとしている」と感じた。日付の有無が選定基準だが、日付はないが日記的だったり、写真や音楽で表現したりしているものもある。「日記は日々を記録したものが自己表現になる面白いものなんです」と話す。
【代々木上原】シティライト ブック
新たな街の書店を目指し、独自レーベルの本も企画中 23年8月オープンの複合施設CABO(カボ)。プロデューサーの大谷省悟が、出版社トゥーヴァージンズから独立して書店を立ち上げようとしていた神永泰宏に声をかけ、街の書店としての機能をもつ店が誕生した。「かつてこの街にあった幸福書房のような、街の書店としてのスタンスが手本です。本を読む人が集まれる場所づくりをしたいですね」と神永。カウンターではラム酒やドリンクが味わえる。独自レーベル本の出版も目指している。
<思いがけない出会いが待つ、古書専門店へ> 【祖師谷大蔵】ノストスブックス
より開かれた、アートやデザインの専門店 2013年から世田谷区の松陰神社で営業していた同店が、建物取り壊しのために移転したのが21年のこと。作家の展示ができる広いスペース、天井高などに惹かれてここに決めた。オーナーの中野貴志と店長の石井利佳はともにデザイナーで、アーチ型の大きな本棚にはグラフィックデザイン、アートや工芸、建築などの書籍が揃う。オンラインでの販売も行っているが、中身を確認したい、関連本を紹介してほしい、などの理由で、店に直接足を運ぶ客も少なくない。「洋書と和書、そして新旧の書籍をミックスすることが時代や場所を超えた発見のきっかけとなり、新たなインスピレーションを生み出してもらえたらいいなと思っています」(中野)。作家の展示やイベントも積極的に行っている。
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- 【写真】【江戸川橋】コ本や/店主の青柳菜摘。23年に自身の詩集『そだつのをやめる』で中原中也賞を受賞。映像作家や詩人など、クリエイティブな活動を続けるスタッフが店頭に立つ。
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