目利きが選んだ、いま行くべき個性派書店とブックホテル9選
【江戸川橋】コ本や
アーティストたちが運営する、書店兼プロジェクトスペース アーティストの青柳菜摘が主宰する、2016年に創立された古書店兼プロジェクトスペース。青柳が東京藝術大学在学中、アートの業界だけでなく、もっと街に開かれた場所をつくれないか仲間と考えているなかで、古本屋というアイデアが出てきた。いまの場所に移転してグランドオープンしたのは23年4月。選書は青柳を含むスタッフ7人で、アート、カルチャー、思想史、哲学、自然、食、生活、ZINEなど幅広い。選書の基準は、「アーティストがなにかをつくるきっかけになりそうな本」(青柳)。展覧会、上映会、トーク、ワークショップなどのイベントを頻繁に開催するため、棚の多くは可動式。店名を「コ」とカタカナにしたのは、「古、個などいろんな意味をもたせたかったから。カタカナ、ひらがな、漢字が揃った並びも不思議で気に入った」という。
<ホテルにこもって、読書三昧の滞在を> 【神保町】MANGA ART ROOM JIMBOCHO
マンガの世界に没入し、プライベートサウナで整う 2022年9月オープンの、マンガをテーマにしたコンセプト型ホテル。BOOK HOTEL神保町の12階にある2部屋のみで、客室にはスタッフ厳選のマンガが約50冊並び、プライベートサウナを設置。新たな出合いを提供したいという思いから、知られていないけれどいい作品を心がけて選んでいるという。人気マンガとの「コラボルーム」企画が行われたことも。予約時にブックマッチングサービス(¥300)を選択すると、お薦め本を提案してくれる。
【御成門】芝パークホテル
好きな本を選んで、アフタヌーンティーも 1948年創業の老舗ホテルが、2020年に約1,500冊の本を有するライブラリーホテルへとリブランド。1階のライブラリーラウンジ、2階へと続く階段を囲うように設置された約7mの大書棚、2階ホワイエの書棚のほか、客室フロアにも各フロアごとに異なるテーマでセレクトされた書籍コーナーがある。選書は銀座 蔦屋書店が担当し、日本文化を軸に、アート、建築、写真、旅行、趣味などさまざまな本が揃う。宿泊者の8割以上は外国人。客室に持ち込めるので、日本人ゲストにも「本がたくさんあるから泊まってみたい」と好評だとか。同ホテルの敷地は江戸時代、増上寺の敷地の一部で、学びの場である「学寮」があり、開業後は社交場として大人のマナーや所作を学ぶ場となった。学びに縁があるこの場所が、知見を深めるきっかけになるだろう。
写真:河内 彩、齋藤誠一、吉田 塩 文:吉川明子
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- 【写真】【江戸川橋】コ本や/店主の青柳菜摘。23年に自身の詩集『そだつのをやめる』で中原中也賞を受賞。映像作家や詩人など、クリエイティブな活動を続けるスタッフが店頭に立つ。
- 【写真】【神保町】MANGA ART ROOM JIMBOCHO/客室は写真の真っ白な「白の洞窟」と真っ黒な「黒の洞窟」の2室。サウナ・銭湯系、グルメ系、旅系などのマンガが充実している。