定年後に両親が「平屋」を建てると言っていますが、資金面で可能なのでしょうか? 退職金はあるそうですが老後資金が不安です。
定年後を機に、生活環境を変えようと考えている高齢者の方は少なくありません。そのなかには、これまで頑張って働いてきて稼いだお金や退職金を使って、住みやすいとされる平屋を建築しようと考える方もいるでしょう。 しかし退職後は収入が限られるため、お金の使い道には注意しなければなりません。そこで本記事では、平屋の建築にかかる費用と退職金で平屋の費用を賄えるのかについて解説します。 ▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説
平屋の建築にかかる費用はどれくらい?
一般的に平屋の新築にかかる費用は、木造で坪単価60万円前後が相場といわれます。平屋は2階、3階建て住宅よりも敷地面積が必要で、2人暮らしの場合には、床面積だけで22坪程度が目安とされるそうです。その場合の建築費用は1320万円以上かかるとみてよいでしょう。 ただし、住宅の価格は間取り・敷地面積・使用する建材・設備のグレードといった要素により、金額が大幅に変動します。上記はあくまで、目安である点にご注意ください。 また、上記は建築費用のみの金額です。土地代が別途かかるため、土地を間借りする借地権ではなく購入して所有権を持つなら、費用はもっとかかるでしょう。 敷地面積のうち住宅で使っていい割合(建ぺい率)は平均で60%といわれており、仮に22坪の住宅を建てるなら、およそ36坪以上の土地を購入しなければなりません。例えば、坪単価36万円の土地の場合、36坪の土地代だけで1296万円かかります。 建築費用と合わせると、合計金額は2616万円です。もしも老後の趣味として敷地内で広い畑や庭を造るなら、坪数はもっと必要でしょう。場合によっては3000万円以上の費用も視野に入ります。 ■延床面積が同じなら2階建てより平屋のほうが費用は高い傾向 平屋は、2階建ての住宅よりも費用が高いといわれます。その理由の一つに挙げられるのが、前述の必要な土地の面積です。2階建てなら狭い敷地面積でも上と下に部屋を設けられますが、平屋ではそれができません。ゆえに、広い敷地が必要になるため、土地代が多くかかってしまいます。 また、平屋は建築費用においても屋根や基礎の面積が大きくなるため、2階建てよりも材料費がかかります。そのため、建築時の工事費用も高くなるでしょう。