定年後に両親が「平屋」を建てると言っていますが、資金面で可能なのでしょうか? 退職金はあるそうですが老後資金が不安です。
高齢者に平屋がおすすめの理由
通常の2階建て住居より費用のかかる平屋ですが、平屋には定年後の高齢者生活にうれしい特徴が数多く存在します。高齢者に平屋がおすすめである理由は、以下の通りです。 ■バリアフリー 第1に挙げられるのが、バリアフリー性能の高さです。全体が平面で作られる平屋は、高齢者にとってつらい2階への昇り降りがありません。体力の衰えとともに1階のみで過ごす家庭も珍しくないため、将来2階を使わなくなるなら平屋にしたほうがよいといえるでしょう。 また、平屋はワンフロアにすべての部屋や機能が備わっている分、自宅内の動線がシンプルです。コンパクトな動きで生活できるため、余計な体力を使わずに済みます。 ■地震に強い 第2に挙げられるのが、耐震性能です。平屋は2階部分を1階が支える構造になっていないため、万が一大きな地震がきたとしても倒壊の可能性は低いといえます。また下に広がる構造をしている分、強風の影響も受けにくい点も魅力です。
退職金で平屋は建てられる?
厚生労働省が毎年実施する「令和5年就労条件総合調査」によると、大学・大学院卒の退職金の平均額は1896万円でした。 仮に平屋の建築費用が前述通りの2616万円なら、730万円足りない計算です。坪数や建築費用を抑えれば1896万円以内に収まる可能性もありますが、平均通りの退職金のみで平屋を建築するのは難しいでしょう。ただし、夫婦共働きで両方に退職金がある場合は別です。
定年退職後の住宅購入は老後の資金も考慮しよう
ある程度貯蓄していれば、単独の退職金にプラスして平屋を建てることは可能ですが、老後は収入が年金のみとなるため、貯蓄の扱いには注意しなければなりません。また年齢的にローンを組むのは難しいと予想されるため、購入するには現金一括払いを選択しなければならないでしょう。 老後は病気や介護のリスクもあがるため、万が一のとき貯蓄を用意しておく必要があります。住宅を建てる際は、費用を払った後の貯蓄額と年金で十分暮らしていけるか、しっかりとシミュレーションしましょう。 出典 厚生労働省 令和5年就労条件総合調査 結果の概況 退職給付(一時金・年金)の支給実態 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部