近江、ついに決勝の大舞台へ 経験値×技術×自信が快進撃を支える
第102回全国高校サッカー選手権の準決勝が1月6日に東京・国立競技場であり、2年連続3度目の出場となった近江(滋賀)が堀越(東京A)に快勝し、初めて決勝の大舞台に駆け上がった。 【フォトギャラリー】近江vs堀越試合風景 前回大会は初戦の2回戦で昌平に1-3で敗れたものの、シュート数は9本対13本でCKは同数の3本。先制された6分後、今回も先発メンバーに名を連ねるふたりで同点ゴールをものにした。MF山門立侑(3年)のシュートをGKが弾き、そのこぼれ球をMF鵜戸瑛士(3年)が押し込んだのだ。当時の昌平・藤島崇之監督は「技術の高さとプレスの速さに苦しめられた。守備への切り替えの早さは分析して分かっていたが、それ以上にすごかった」との感想を述べている。 その高いテクニックに加え、今年のチームは縦へ前へと突き進む推進力、防犯体制が堅固なはずのセンターラインを切り崩す大胆さを身に付け、3度目の選手権にやって来た。 前半22分までに堀越から3点を奪取したが、いずれも軽やかでスピーディーでリズミカルなドリブルでマーカーを振り払った。視野の広い展開力、ワンツーなどを織り交ぜた攻撃力は高い水準にあった。 前回の昌平戦に先発したのは山門と鵜戸のほか、金山とCB西村想大(3年)の4人。途中出場したのが先発したMF浅井晴孔(3年)と経験者がずらりそろう。経験値と元々あった技術のほか、練習で植え付けられた自信が一体となって快進撃を支えているようだ。 その結果が初戦の2回戦で強豪の日大藤沢(神奈川)、3回戦で昨夏のインターハイ王者・明秀日立(茨城)をいずれもPK戦で負かし、準々決勝では前回4強の神村学園(鹿児島)との点取り合戦を制した。 特に3得点すべてに絡んだ山門、外から鋭く激しく堀越陣営に進入した鵜戸は、前回大会よりずっと力を付けている。3点目を決めた主将のDF金山耀太(3年)は準々決勝まで左ストッパーでの先発だったが、準決勝は左ウイングバックで起用された。 前田高孝監督は「相手の映像を朝方まで見て、ウイングバックが効果的だと判断しました。中に入ったり、外にも出られるので(金山を)どこでフリーにするかを考えながら戦った」と説明し、「聖地・国立の雰囲気に乗せられ、ゴールがどんどん入っちゃいました」と満面に笑みを浮かべながら、こう話した。