視聴率40%!お天気お姉さんの元祖・今井登茂子のその後「40代で突如、第一線を退いた」決断の裏側
■夫の口グセに学んだコミュニケーションの本質 ── 50歳のときには、コミュニケーションスクール「とも子塾」をたちあげられました。 今井さん:“自分の名前を掲げるなんて、なんだか飲み屋みたいでどうだろう”と思ったのですが(笑)。安藤優子ちゃんたちが私の授業を “ともこ塾”と呼んでいたので、それを引き継いだんです。以来、「会話力は人間力」というテーマを軸に、ノウハウをメソッド化し、話し方やマナーだけでない人間教育に力を注ぎ続けています。
── たくさんの人を育ててきた今井さんですが、ご自身のコミュニケーションに影響を与えた方はいますか? 今井さん:夫ですね。34歳で結婚した夫は9歳年下で、とても思いやりのある素敵な男性でした。彼が私のコミュニケーションを熟成してくれましたね。結婚して最初に彼から学んだのは、「自分のことから話さない」ということでした。 ── どういうことでしょう? 今井さん:彼は、仕事から帰ってきたら、自分の話ではなく、「今日どうだった?」とやさしく聞いてくれるんです。これは衝撃でしたね。妻が夫に質問するケースはよくあるけれど、彼は、まず私の話から聞くんですね。だからいつも嬉しくなってどんどん話しちゃう。彼はコミュニケーションの本質さをわかっていたのでしょうね。
PROFILE 今井登茂子さん 1937年、東京生まれ。立教大学文学部卒業。1959年、TBS入社。音楽、情報、報道、スポーツなど、多岐にわたる番組を担当。 初代お天気お姉さんとして人気を集め、視聴率40%を記録。1988年、放送貢献者に贈られる「ゴールデンマイク賞」を受賞。1987年に人材教育「とも子塾」を設立。「会話力は人間力」という明快なテーマを軸に、実践的かつ科学的な理論に裏付けられたメソッドを構築。受講者はのべ3万人を超えている。
取材・文/西尾英子 画像提供/今井登茂子
西尾英子