島根原発2号機「再稼働」前に島根・鳥取両県合同で原子力防災訓練 能登半島地震教訓に「複合災害」想定
山陰中央テレビ
島根原発での事故を想定した島根・鳥取両県合同の防災訓練が11月16日に行われました。2024年1月の能登半島地震を教訓に、地震による道路の寸断が重なった場合の住民の避難手順などを確認しました。 16日に行われた島根・鳥取両県合同の原子力防災訓練、原発が立地する島根県や松江市、それに周辺の鳥取県、米子市など2県6市の職員や住民などあわせて約1500人が参加。 「島根県東部を震源とする最大震度6弱の地震が発生し、島根原発から放射性物質が放出された」という想定で行われました。 午前9時。島根原発の地元、松江市鹿島町では住民約200人が指定された集合場所に。これから広域避難、住民はバス2台と自家用車約70台に分かれて、70キロ余り離れた避難先の大田市を目指します。 今回の訓練では、2024年1月に起きた能登半島地震を教訓に、原子力災害と地震による道路の寸断などが同時に発生する「複合災害」を想定に加え、住民の避難手順などを確認します。 松江市などでは地震で地すべりなどが発生し、7か所が通行止めとなったと想定、住民はう回ルートに回り大田市へ向かいました。 10月には、海上保安部の船を使って孤立集落の住民が海上を経由して避難する訓練も行われ、その手順や課題を確認しました。 出発から約2時間半、鹿島町の住民が大田市の中学校に設けられた避難所に到着しました。 訓練参加者: 「代替ルートを通ることはスムーズにできた。万が一に向けて訓練を積み重ねないといけないが、一連の流れを確認できた」 「我々が自家用車で逃げるにも不安な部分があるので、避難ルートの道路の強靭化をお願いしていかないといけない」 島根県・丸山知事: 「事故のリスクはゼロにはならないので、万が一の事態に備えて準備している避難計画を滞りなく実行できるようにしたい」 一方、原発から30キロ圏内、鳥取側の米子市と境港市でも訓練が行われました。 防災無線アナウンス: 「基準値以上の放射線量が確認されました。指定された避難所へ避難して下さい」 午前8時半、島根原発から30キロ圏内、弓浜半島の中央に位置する米子市崎津地区。 住民に緊急メールや防災無線で避難が呼びかけられました。 国は原発から5キロ圏内の住民に対しては、原則、直ちに避難するよう指示していますが、30キロ圏内では自宅などの屋内に退避するよう指示しています。 訓練では、地震で自宅が倒壊したと想定、住民が「屋内避難施設」に指定されたコンクリート造りの公民館に避難。一定期間、過ごすための水や食糧を受け取りました。こうした「屋内退避施設」への避難訓練は今回初めて行われました。 訓練参加者: 「今年12月に島根原発が再稼働するということで、訓練も必要だと思います」 「初めて参加した。いざという時のために、一度経験はしておいた方が良いと思う」 16日の訓練では大きなトラブルはなかったということで、島根・鳥取両県は訓練の結果を分析、避難計画の実効性を高め、原子力災害への備えを強めたいとしています。
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