女装した新人アナウンサー 「ヒールを履くことで、悩みや不満から解放された感覚があった」 ”ドラァグクイーン”の本音と悩み
性の多様性を祝う「レインボープライド」が11月、福岡市で開催される。そこに参加する性的少数者の中に、ドラァグクイーンと呼ばれる人たちがいる。 【写真を見る】高見心太朗アナウンサーと、昼と夜のマダムCOCOさん 派手な衣装に派手なメイク。彼らはなぜ女装するのか。学生時代、ドラァグクイーンを研究した新人アナウンサー(22)が、その胸の内に迫った。 ■香水とまつげ スイッチが入る瞬間 「普段つけない香水やまつ毛を付けるときにスイッチが入る」 大阪市内にある立ち飲み居酒屋。昭和レトロな雰囲気がただよう店内で、普段は美容師として勤める60代の男性は、女装する時の心境をこう話した。 黒のTシャツに帽子姿。手には小さな巾着バッグ。その姿からは想像もつかないが、男性は派手な女装でダンスなどのパフォーマンスを行う「ドラァグクイーン」だ。 昼間は美容師として働き、週末の夜は、ドラァグクイーン”マダムCOCO”として全国各地のステージに立つ。 マダムCOCOさん(60代)「30年以上前に大阪の心斎橋で『DIAMONDNIGHT』っていうカウントダウンパーティーがあって、そこに行った時に、『ちょっと求めているものがあったかも?』と感じた。それがきっかけです」 そこには、Tバック1枚で踊る人や性別を問わず奇抜な恰好をした人たちがいた。 マダムCOCOさんは、そこで活躍していた人たちの衣装をまねながらその世界にはまっていく。 当時を、懐かしそうに振り返った。 マダムCOCOさん(60代)「目の上にも下にも、3枚も4枚もつけまつげを付けたり。昆虫図鑑を見てメイクの参考にしたりしました。昆虫のお腹とかぎょろっと大きな目とか。『ちょっとこうしてみようかな~』と。当時は綺麗と言われるよりも、『それ、どないなってんの?』とか、『かっこいい』とか言われる方が、すごいテンション上がるというか。『綺麗』なんか言われても、綺麗な女性の方が綺麗だし、ニューハーフの方がよっぽど綺麗なわけやから」 当時は、「あんたブスね~」と言われることが、先輩からの最大の誉め言葉だった、と笑った。
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