女装した新人アナウンサー 「ヒールを履くことで、悩みや不満から解放された感覚があった」 ”ドラァグクイーン”の本音と悩み
マダムCOCOさん(60代)「多分その感覚は一生変わらへんと思う」 ■大学時代に”女装”を研究 そしてアナウンサーになった 筆者は、学生時代、女性やLGBTQの権利運動の歴史などを研究してきた。マダムCOCOさんと出会ったのもこの頃だ。 2年間、ゲイバーやショーパブなどで現地調査を行い、「女装」をテーマに卒業論文を書いた。 調査する中で多くの人に出会ったが、中でも特に関心を持ったのは「ドラァグクイーン」という存在だ。初めてショーを見た時、あまりの美しさに息を飲んだ。 ドラァグクイーンとは一般に「ゲイ、ないしトランスジェンダーの男性が女装し、派手な衣装や厚化粧、大袈裟な仕草で『女であること』をパロディ化したパフォーマンスを行う人たち」を指す。 派手な衣装の存在感から圧倒されてしまうかもしれないが、彼らは日常的にそういう服装をしているわけではない。 ■2時間かけてメイク イメージは「中世ヨーロッパの貴婦人」 筆者も、子どものころから化粧や綺麗な服装に憧れがあった。日常を脱ぎ捨てドラァグクイーンになるとは、どういう気持ちなのか。体験してみることにした。 2時間半かけて行った派手なメイク。自分を何かの恐怖から守ってくれるような気がした。ヒールを履くことで、日常の悩みや不満が解放された感覚もあった。 夢が叶った瞬間だった。 そして、この体験のあとは、ヒールを履いている女性の隣を歩く時、速度や溝の有無に気をつかうようになった。 ■すべての人のためのレインボープライド 11月2日(土)、3日(日)、福岡市で「九州レインボープライド」が開催される。 レインボープライドとは、LGBTQなど性的少数者やその支援者(Ally)たちが「多様性」を祝福するイベントで、ほかにも年齢、肌の色、障がいの有無などに関係なく様々な人たちが参加する。2日(土)には、福岡で活動するドラァグクイーンも登場する。 性的指向などで悩む当事者はもちろん、それ以上に、当事者でないと考える人たちにこそ、関心をもってほしい。
RKBアナウンサー 高見心太朗
RKB毎日放送
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