自分を責めるな!セルフ・コンパッション 自分を優しく受け入れことが心の健康と成長につながる
仕事のストレスやプレッシャーに押しつぶされそうになることは、誰にでもあります。そのようなときに、自分を責めずに優しく受け入れることができたら、心はどれだけ軽くなるでしょうか。 自分に対して優しさと理解を持ち、自分を責めすぎないことを「セルフ・コンパッション」と呼びます。多くの研究がその効果を証明しており、特にストレスや困難な状況において、心の健康を保つ上で重要な役割を果たします。 本稿では、セルフ・コンパッションの考え方とウェルビーイングとの関係、そして実践方法について解説します。セルフ・コンパッションを理解し、実践することで、より健康で充実した職業生活を送ることにつながります。
自分を甘やかすことではなく、成長と改善促す態度
セルフ・コンパッションは、自分に対して思いやりを持つことを意味します。これには3つの要素があります。 ・セルフ・カインドネス(自分への優しさ):自分の失敗や過ちを責めるのではなく、優しく接すること。自分を批判するのではなく、友達や大切な人に接するように自分にも優しくすること。 ・コモン・ヒューマニティ(共通の人間性):自分の苦しみや失敗は、誰にでもあることだと捉えること。他の人と比べて孤独に感じるのではなく、「みんな同じように苦しむことがある」と理解すること。 ・マインドフルネス(今を受け入れる態度):今この瞬間の経験に気づきを持ち、受け入れること。過去の失敗にこだわらず、未来の不安に惑わされず、今ここにある自分の感情や体験を受け止めること。 セルフ・コンパッションは、困難な状況やストレスを感じる場面で特に役立ちます。例えば、ネガティブな出来事が起こったときでも平静を保ち、ポジティブな気持ちを持つことができます(※1) 。 セルフ・コンパッションは自分を甘やかすことではなく、成長と改善を促す態度です。自分に優しくすることで、前向きに問題に取り組み、状況を改善できます。
ウェルビーイング高めるセルフ・コンパッション
セルフ・コンパッションはウェルビーイングにどう影響するのでしょうか。 セルフ・コンパッションが高い人は難局でも冷静に対処できます(※2) 。これは、セルフ・コンパッションがストレスホルモンの分泌を抑え、リラックスを促すからです。実際に、ストレス反応を和らげ、心の回復力を高めます。 また、セルフ・コンパッションは感情のコントロールにも有益です(※3) 。自分の感情に気づき、それを否定せずに受け入れることで、感情に流されずに対応できるようになります。これにより、感情のバランスが保たれ、ネガティブな感情にも耐えられるようになります。 セルフ・コンパッションが幸せに直接影響することも示されています(※4) 。多くの研究を統合的に分析した結果、セルフ・コンパッションは一貫してウェルビーイングを高めます。 これらの研究結果から、セルフ・コンパッションは心の健康と幸せを高める効果があると言えます。セルフ・コンパッションを通じて、私たちはより健康で充実した職業生活を送ることができます。