新生活、私だけ変わらないことへのモヤモヤ…臨床心理士が対処法を解説
新生活の春。変化することへの不安を感じる一方で、「変化しないことに対してモヤモヤした気持ちがわく」そういった声も聞きます。変化しないことにモヤモヤするのはなぜか、そしてそういったモヤモヤの気持ちに対してどんなことができるのか。臨床心理士が解説します。 【写真】孤独が睡眠に与える影響とは?
私だけ変わっていないのではないか? そう感じるのはなぜ?
【1】変化する人が多い中で感じる「孤独」 4月になると、入学式に向かう親子の姿や、真新しいスーツに身を包んだ新社会人の姿など、変化した人たちの様子を街中で見かけるようになりますよね。 今はSNSを通して他人の情報に触れる機会も増えているので、変化する人がほとんどの中で、自分だけ変わっていないことへの不安を持ちやすいのだと思います。 【2】変化することを催促する世の中の雰囲気 新生活が始まるこの時期は、私たちの身の回りだけでなく、社会的にも変化することが良しとされる雰囲気があるように思います。例えば、新生活キャンペーンが行われてみたり、『今年こそ新しい自分になる』といったようなキャッチコピーが使われていたり。 そういった社会的な雰囲気を目の前に「私も何か行動を起こさないといけないのではないか」とか「このままでいいのだろうか」といった考えや、焦り・恐れの感情を引き起こしやすいのかもしれませんね。
【1】「私はどう思うか」という視点を持つ この時期はどうしても周囲の行動や言動が気になり、「社会的に見て自分はどうか」という視点になりがちです。そんな時こそ「私はどう感じるか」「私にとって今の状況はどうなのか」という、「私は」を主語にした視点を持ってみましょう。 【2】日々のルーティンを大切にする モヤモヤしている時こそ、新しいことをしようとするのではなく、日常を大切に過ごすことを心がけてみてください。例えば、食事や睡眠、家事などです。不安や恐れなどの感情に気を取られ、日常がおざなりになると、心身の不調に影響することがあります。 【3】自分の中に起きている感情に気づく 周囲が変化していく姿を見て、あなたの中にどんな感情が湧いているでしょうか。不安、恐れ、焦りなど。人によって浮かんでいる感情も、その強さも様々です。 自分の中に起きている感情に気づき、「こんな感情が自分の中に起きているんだな」と認めてあげるだけでも、モヤモヤの気持ちが和らぐことがあります。 【4】マインドフルネスな時間を作る マインドフルネスとは、「今ここで起きていることに意識を向けること」です。マインドフルネスな状態にいる時は、ネガティブな感情と少し距離が取れて、ネガティブな感情によって起きる苦痛を感じる時間を減らすことができます。 マインドフルネスと言えば、呼吸法や瞑想をイメージするかもしれませんが、例えばランチを味わって食べる、好きな香りに囲まれる時間を作る、ゆっくりお風呂につかって皮膚の感覚を味わうなど、方法は何でもOK。あなたが取り組みやすい方法を選んでみて。