「なぜ情報を出してるんだ、馬鹿者~!」父に殴られ、3度は眼鏡を壊した 「眼鏡のまち」でV字回復の地元企業、IT出身の息子のネット情報戦略
◆大事なのは「続ける」こと
──今後の目標を聞かせてください。 ペーパーグラスの事業を始めた当初から、地元に愛される、鯖江に愛される、そして日本に愛される世界ブランドを目指すという思いで活動してきました。 いま、日本の玄関口・羽田で、本当に多くの海外のお客様に喜んでもらっています。 どんどん国内外問わず、ペーパーグラスを手にする喜びと感動を世界中に届けたいと思っています。 ──これから鯖江発で、今までなかった老眼鏡のペーパーグラスが世界的ブランドになれば、また鯖江が元気になりますね。 鯖江は眼鏡で有名ですが、「どのブランドが好き?」と問われたときに誰も答えられないそうです。 だから、「鯖江のペーパーグラス」や、「鯖江の何々」というブランドがどんどん育っていってほしいですし、鯖江の未来をつくっていく一翼になれたらいいと思っています。 ──改めて、事業承継の一番大事だと感じる部分について教えてください 大事なことは続けること。 事業承継とか、新規事業って誰でもできると思います。 もちろん、その時代に合わせて変わる必要がありますが、大事なことは粘り強く続けることです。
■プロフィール
【株式会社 西村プレシジョン 1993年に株式会社西村金属の貿易部門として設立。眼鏡や眼鏡部品の企画製造、仕入れおよび販売、精密機械部品の仕入れおよび販売などを行う。2000年代に地場産業の眼鏡関連が縮小するなか、インターネットでいち早く眼鏡以外の分野に活路を開き、業績を回復。2013年から薄さ2mmの携帯老眼鏡「ペーパーグラス」の販売を開始し、累計売上げ10万本を突破する大ヒット商品を生み出す。現在、西村昭宏氏が代表取締役を務める。