【マリーゴールド】レスラー人生で最後のリーグ戦かもしれない。“DREAM☆STAR GP2024”、高橋奈七永の生き様をご覧ください!
シードリングにケジメ。引退した中島安里紗との対戦
――8月10日、埼玉・川越大会の試合後、「心残りがある」と中島安里紗選手の名前を口にし、8月19日後楽園大会で高橋奈七永&後藤智香vs Sareee &中島安里紗戦が行われました。 奈七永:8月23日、中島が引退。シードリングは自分が旗揚げした団体。でも辞めることになった。表向きでは触れないように、何もなかったように装っていましたけど、そのことが“染み”のようにずっと心に残っていたんです。 当時、シードリングの残ったメンバーにたくさん迷惑をかけて退団しました。その側面だけを見たら、「調子いいな」と思われるかもしれない。 でも人にどう思われようが、私には「私の中の真実」がある。もう試合ができないのなら、「最後に戦いたい」と声を上げるしかなかった。 ――8.19後楽園は、ジュリア選手と桜井麻衣選手、そして高橋選手と中島選手の過去を背負った戦いでしたね。 奈七永:彼女たちには彼女たちの戦いがある。あの日の戦いは28年間歩んできた私の歴史の一部であり、一端を担ってきたもの。それをマリーゴールドのファンにも感じてもらえたらと思って臨んだ試合でした。 試合後、中島に花束を持参したら「なんでもかんでも綺麗ごとにするところが嫌いなんだ」と言われたけど、綺麗ごとというより私は本心しか言ってない。試合したかったのは中島の方なんじゃないの? ただ、アイツのエルボーは相変わらず痛くて最低で最高でした。
8月31日からシングルの祭典「DREAM☆STAR GP2024」が開幕
――8月31日からマリーゴールド初のリーグ戦「DREAM☆STAR GP2024」が開催され、高橋選手も出場しますね。 奈七永:私はリーグ戦で何度も戦っています。他のレスラーとはリーグ戦における引き出しの数が違う。出場選手の中にはリーグ戦の戦い方が分からない人もいます。 だから「高橋奈七永だからこそできるリーグ戦の戦い方」を見せていきたいですね。 5.20マリーゴール旗揚げ戦でのビクトリア弓月との一騎打ち、6.23新木場大会で石川奈青と激突したシングルマッチなど、最近は“パッション注入マッチ”が多かった。 今回のリーグ戦は、自分自身が純粋に勝ちを目指す戦い。ただ、ひたすら“勝つために どう戦うのか”を対戦相手やお客さんに見せつけていきたいです。 その結果、「優勝」というものに導かれるのではないかと思っています。 ――ところでコーチとしての高橋選手が所属選手に教える時、大切にしていることはなんですか? 奈七永:技術は教えることができるけど、 自分自身で「学びたい、触りたい、進化したい」って思わなければ何も身につかないし意味がないと思うんですよ。 だから最後は本人がどれだけ強くなりたいか、プロレスに情熱を注げるのか。重要なのは、パッションです。「パッション」を伝えたいですよね。 ――最後に「DREAM☆STAR GP2024」に向けて意気込みをお願いします。 奈七永:あまり言いたくないけど、レスラー人生で最後のリーグ戦になるかもしれない。私はリングに上がる時は、「この試合が最後でもいい」と後悔がないように毎試合毎試合戦っているんです。 だから、どこを切り取っても「高橋奈七永のパッション」を感じてもらえる戦いをしていきます。レスラーは勝つことを目指さなくなったら終わりです。 相手に絶対に負けない意地、どんな部分でも負けない気持ちを、見てくれるファンに伝えます。ですから“高橋奈七永の生き様”をとくとご覧ください。 (おわり) <プロフィール> 高橋奈七永(たかはし ななえ) 1978年12月23日生まれ。埼玉県川口市出身。身長165cm、65kg。アニマル浜口ジムに通い、1995年全日本女子プロレスに入門。1996年7月14日後楽園ホール、中西百恵戦でデビュー。中西とのナナ☆モモで倒産後の全女の救世主となり、最後のWWWA世界シングル王者に君臨。全女解散後はプロレスリングSUNに参画。フリー転向後、パッション・レッドを結成し各団体の王座を総なめし大活躍。スターダムの旗揚げに参加し初代ワールド王座を奪取、V7を達成した。2015年5月にスターダムを離れSEAdLINNNGを設立し代表に収まるが2021年12月をもって退団。その後、フリーとしてスターダムを中心に活躍。2024年4月、マリーゴールドの旗揚げに合流した。合言葉は「パッション!」
取材・文/大楽聡詞 編集/黒澤浩美