秋季九州高校野球、西日本短大付の中野琉碧投手が準々決勝で自身初の完封…元日本代表の父を「超えたい」
今秋の高校野球九州地区大会で、4強入りした西日本短大付(福岡)は中野琉碧投手(2年)の奮闘が光った。勝てば来春の選抜出場が濃厚となる準々決勝で完封し、エースの役割を果たした。 【写真】優勝を喜ぶ沖縄尚学の選手たち
身長1メートル74、72キロの右腕。今夏の全国選手権で2試合にリリーフ登板した経験を生かし、九州大会準々決勝では冷静な投球を見せた。
有明(熊本)打線に対し、130キロ台半ばの直球と切れのあるスライダー、カットボールを低めに集めた。6安打を許したが、要所で三振を奪い144球を投げきった。公式戦で自身初の完封を達成し、「脱力を意識して投げたことで、ほとんどコントロールミスがなかった」と振り返った。
父は、社会人野球のJR九州で監督を務める滋樹さん(44)。現役時代は捕手で、日本代表の経験もある。中学2年で投手に転向した際には、「ピンチでも弱気にならず強気で投げろ」と教えられ、その言葉を今も大切にしている。九州大会中には「気を抜くなよ」と、メッセージをもらった。
滋樹さんが指揮するJR九州も今秋、日本選手権に出場しており、「お互いいい刺激を与えられるようになれば」と語る。「選手として父を超えたい」と話す息子は来春、甲子園の土を踏むことができれば、「自分たちらしい野球をしたい」と、意気込んでいる。(古島弘章)