イチロー氏がJC制した武豊に「いつもだらしないところしか見てこなかったけど…」
24日に東京競馬場で開催された「ジャパンカップ」(G1)の表彰式で、日米通算4367安打を記録したイチロー氏(51)=マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター=がプレゼンターを務めた。「武さんの走りにシビれました。見てる人の心をわしづかみですよね。スーパースターが勝つと余韻が違う」と、表彰台ではドウデュース号で優勝した武豊騎手(55)と熱い抱擁を交わした。 【写真】レース後トークショーで話すイチローさんと武豊騎手 競馬場を訪れるのは初めてで、芝やサラブレッドの美しさ、観衆の熱気に息をのんだ。レース後のパドックでのトークショーでは、途中で武が飛び入り参加。いきなり右手を伸ばしてバットを立て、左手で右肩付近を触るイチロー氏の物まねを披露した。 2人はプライベートでは飲み仲間で、イチロー氏が「いつも武さんのだらしないところしか見てこなかったけど(笑)」と切り出すと、武が「確かに僕の方が先にヘロヘロになるけど、一応、今日は主役なんですけど」と応酬。イチロー氏が「決めるところはバチッと決めますね」と最敬礼すると、「仕事している姿を初めて見ていただいた」と笑った。 騎手だけでなく、競馬は調教師や厩舎スタッフの尽力が欠かせないという点で、イチロー氏は「プロの仕事としてみたときに、意外とチームで戦わなければならないという野球との共通点がある」と語った。 最後に競馬の魅力を問われると、「夢をつかめるかもしれない。今日はつかめませんでした、僕は」と馬券は外したもようだが、「僕なりに『競馬ってこんなに面白いんだよ』というのを伝えていきたい。武さんは、何年離れていても(心の中で)つながっているんだろうなと思える数少ないアスリート。武さんにはどこまでもいつまでも走り続けてほしい」とエールを送った。(東山貴実)