マジメな警察官がじつは借金250万円、仕事も妻子も失い「さらなる転落」へ…「ギャンブル依存者」に共通する、ある“思考回路”
突然の破綻で仕事と家族を失い…そして…
終焉は突然にやってきた。ある日、仕事から帰宅すると、滞った返済の「督促はがき」が自宅に届いていた。消費者金融数社への借金は総額250万円になっていた。それを見つけた妻は激怒した。パチスロへの病的な依存、それに借金癖が妻の両親、親戚全員に知られてしまった。「何をやっているんだ! お前は警察官だろう」誰もがそう責め立てた。 結果的には、前回同様に自分の親が借金を肩代わりしてくれた。だが、もう警察にはいられないと思い込み、退職願を出した。違法行為に手を出したり、消費者金融のブラックリストに載ったりしたわけではないので、本来なら仕事を辞める必要はない。 辞めたくはなかったが、ほかの選択肢が思いつかなかったのは、ケイの生真面目さなのか、それとも、かぶり続けていた仮面をはぎとられた決まり悪さゆえだったのか。妻に対する、うそと裏切りの代償は、結婚生活の清算で支払うことになった。ゼロに戻った借金と引き換えに、ケイは仕事、そして妻子を一度に失った。 ・・・・・ その後、ケイさんは、42歳の時に、書店でマンガ本を万引きし、有罪判決を受けることとなった。かつて犯罪を取り締まる側だった人間が、「ギャンブル依存」に陥り、犯罪にまで手を染めてしまったのだ。パチスロの資金を作るためというのが動機だった。 ・・・・・ 【さらに読む】『水原一平容疑者を待ち受ける「アメリカのムショ暮らし」がヤバすぎる…! イジメが横行し、ボコられる日々』
染谷 一