手軽にできるカレーライスのコスト負担増が続いています　※画像はイメージです（photoAC）

8月に入り、猛暑が続いています。そんな暑い日にはピリッとしたカレーライスが食べたくなる人も多いのではないでしょうか。しかし、昨今では様々な食品が値上がりした影響で、食卓のカレーライスを作る「費用」が上昇しているといいます。 【写真】「カレーライス物価」と「指数」伸び率 株式会社帝国データバンク（東京都港区）が、このほど発表した「カレーライス物価指数調査（2024年5月）」によると、カレーの調理に必要な原材料や光熱費等の価格（全国平均）を基に算出した、カレーライス1食当たりのトータルコストを示す「カレーライス物価」が「323円」となり、2015年以降の10年間で最高値を更新したことがわかりました。 2024年5月の「カレーライス物価」は、1食当たり「323円」となり、2023年8月以降、10カ月連続で300円台となったほか、単月では2015年以降の10年間で最高値を更新。1年前の2023年5月の298円から「25円」増加し、安価で手軽に調理できるカレーライスのコスト負担増が続いているといいます。 「カレーライス物価を構成する費用」の内訳をみると、最も費用が高いのが「カレー具材（肉・野菜）」（200円）で全体の約6割を占め、2023年同月から15円の増加。 円安の影響で値上がりが続く輸入牛肉のほか、天候不順で「ニンジン」など野菜類も高値で推移していることが影響しました。 「ごはん（ライス）」（94円）は、近年のコメ不足の影響から店頭販売価格の上昇が続いており、食品の相次ぐ値上げの中でも割安感があったコロナ禍での価格推移とは一転した状態が続いている一方で、炊飯器での炊飯や保温、ガス調理など「水道光熱費」は、2023年同月から変化なく4円となっています。 また、総務省の「小売物価統計」から、カレーライスの具材となるじゃがいもなどの材料や、電気・ガス代など水道光熱費の全国平均価格を基に、それぞれの分量や各調理工程の分あたりエネルギー使用量を配分し、同社が独自に算出した「カレーライス物価指数（※）」をみると、2024年5月の指数は「117.8」で8.3％上昇（2023年同月比）し、12カ月連続のプラスとなったほか、総務省が発表する同月の全国消費者物価指数（生鮮食品を除く総合）の3倍となる高い伸び率となり、物価上昇の影響を強く受けていることが分かりました。 （※）カレーライス物価指数：各月のカレーライス物価を基に、2020年平均=100とした価格推移。なお、前年同月比の計算式は下記に準じています。 ▽計算式 （[当月の指数]-[前年同月の指数]）／[前年同月の指数]×100 農林水産省の発表では、ジャガイモ（バレイショ）とニンジン、タマネギの各価格は、いずれも「平年を上回って推移する」としていることや、コメ、輸入牛肉も当面は価格の下落が見通せないことから同社は、「6月のカレーライス物価も過去最高値の更新が見込まれており、今夏は高値での推移が予想される」としています。