先輩の私から送るルーキーへのアドバイス。油断しないで技術を磨け!【張本勲の喝!!】
運命の出会い
プロ1年目の筆者。シーズン途中からは四番に座った
6月19日の開幕戦から、1カ月が過ぎた。新型コロナウイルスの感染拡大によって中断することなく、無事に開催できているのは非常に喜ばしいことだ。このまま油断することなく、シーズンを乗り切ってもらいたい。 選手たちも少し落ち着いてきたところだろう。開幕前は誰でも不安になるものだが、1カ月も経てば体も気持ちも慣れてくる。ただ、ルーキーの場合はまた少し違うかも分からない。高卒、大卒、社会人卒とルーキーにもいろいろあるが、総じてまだ不安の中にいるのではないか。自分の力がプロで通用するのかどうか、この先どうなっていくのか、初めてのシーズンだから無理もない。春季キャンプやオープン戦、練習試合との違いも痛感しているはずだ。 その不安を打ち消すためにルーキーがしなければならないことを、私の経験から3つほど挙げておく。 まずは「技術の習得」だ。投手であれ、打者であれ、己の技術を徹底的に磨くことが何よりも大切なこと。これから何で飯を食っていくのか。野球のプロを職業にしたのだから技術の追求は当然のことだ。誰にも負けない技術を身につければ長くプロの世界で生きていけるし、技術がなければユニフォームを脱いで引退するしかない。 そして次に「徹底した自己管理」だ。ルーキーとはいえ、少しプロの水に慣れてくると、最初の緊張はどこへやら、どうしても自分に甘えが出てくる。先輩からの誘い、あるいは関係者から声がかかることも多く、それはそれで大事な時間ではあるが、そこで必要以上に多くの時間を取られないことだ。息抜きは必要だが、息抜きばかりではどうしようもない。自分では一生懸命にやっているつもりでも、周囲から見るとそうでもないことが多い。なかなか自分では気づかないのだ。自分に厳しく毎日を過ごしてほしい。 最後の3つ目、実はこれが一番難しいのだが・・・
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週刊ベースボール