9月と10月は「行政相談月間」…国に対する“苦情”“意見”を聞いて解決を図る「行政相談」の取り組みを解説
杉浦太陽と村上佳菜子がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより」(毎週日曜 7:30~7:55)。「学びと成長」をコンセプトに、毎回さまざまなゲスト講師をお招きして、明日の暮らしがもっと豊かになる情報や気になるトピックをひも解いて、今よりもちょっと成長することを目指す番組です。 9月8日(日)の放送テーマは「“きくみみ”持ってます! あなたのそばの行政相談」。総務省 行政評価局 行政相談企画課長の徳満純一(とくみつ・じゅんいち)さんをゲストにお迎えして、今月からスタートしている「行政相談月間」について伺いました。
◆“行政相談”に来る相談内容とは?
今回のテーマ“行政相談”は、数ある相談窓口のなかでも特に“役所”に関する仕事や手続き、サービスに関する困りごとへの対応を得意とする窓口です。 「総務省の行政相談は、国や都道府県、市区町村などへの業務に対する苦情や意見、要望を幅広く受け付け、担当する行政機関とは異なる第三者的な立場から、その解決や実現を促す相談窓口です。その特徴として、必要に応じて関係行政機関に働きかけ、行政の制度や運営の改善を促す機能を持っている点です」と徳満さん。 総務省の行政相談は、電話、メール、地域に開設されている相談所など、さまざまな方法で相談を受け付けます。その相談内容によっては、全国に50ある行政相談センターと連携して全国的な調査をおこない、その結果“同じような問題で困っている人が全国にいる”“国民に不便が大きく、仕組みを見直す必要がある”と判断した場合は、法律や制度を変えるように行政機関に働きかけをおこないます。 例えば、「駅のホームに転落防止用の柵を設置してほしい」という相談があった際、行政相談センターの職員が現地に行って状況を確認し、国土交通省の運輸局に対して改善を求めました。その結果、鉄道事業者にて検討が図られ、状況が改善されました。 ほかにも、“土地の名義を変更したい”などの登記に関すること、“生活保護を受給したい”などの社会福祉に関すること、“相続税について知りたい”などの国税や地方税に関すること、“隣の家からの落ち葉に困っている”といった迷惑行為に関することなど、身近な相談も多く寄せられるそうです。 また、どんな方が相談に乗ってくれるのかというと、徳満さんは「全国にある総務省行政相談センター『きくみみ』(管区行政評価局・行政評価事務所・行政監視行政相談センター)の職員や約5,000人いる行政相談委員の方々です。行政相談委員とは、総務大臣が委嘱した民間の有識者で、元公務員や学校の先生、地域で事業を長年されている方などによる無報酬のボランティアです。その方々が、役所や公民館で定期的に行政相談をおこなったり、市区町村内を巡回して相談に対応してくださっています」と説明します。