「音楽はサブスク」時代になぜ? 最高益を更新したタワレコ大復活の理由
「ライブやイベントが会場での即売はかなり伸びていますね。事務所サイドとしては、ツアーの全公演の売り場を任せたいという意向があり、タワーレコードでは専用の部署を作って対応しています。玉置浩二さん、EBiDAN関連など、アーティスト単位で年間1,400組、実施回数は毎年5,000件ほど会場に出向いて販売しています」 さらに2024年10月にはタワーレコード オンラインで、個人や法人が商品を売り買いできる新たなサービス「タワーレコード マーケットプレイス」を開設。「あらゆる音楽プロダクトを音楽好きの人から音楽好きの人のもとへサイクルさせる場を提供する」というのが、その意図だ。 「配信されていない、CDも廃盤になっているアイテムも多いですし、“ずっと聴いてきたけど、次の人に渡してもいいよ”と受け渡しできるプラットフォームがあったほうがいいなと。それも“欲しいアイテムを求める人のところに届けたい”という発想ですね」 CDの生産量自体は年々減少。少子化・人口減少に伴い、音楽マーケットの縮小が危惧されているなか、リアル店舗をアーティストとファンを繋ぐ場所として機能させることで、業績を上げているタワーレコード。徹底してユーザーの側に立ち、“応援する人を応援する”というスタンスは、あらゆるエンタメやサービス業にも応用できそうだ。 (取材・文/森 朋之)
森朋之