WBA世界バンタム級王者・堤聖也 「一番欲しいのはWBCのベルト」…WOWOW番組でセルフ解説 「一番欲しいのはWBCのベルト」
プロボクシングWBA世界バンタム級(53・5キロ以下)王者・堤聖也(角海老宝石)が19日、WOWOWの「エキサイトマッチSP」(12月30日午後9時、WOWOWライブ&オンデマンド)の番組収録に参加。今年10月13日、東京・有明アリーナで行われた世界初挑戦で王座を奪取した井上拓真(大橋)戦をセルフ解説した。 堤は熊本・九州学院高2年時の2012年8月、全国高校総体準決勝で敗れた井上(神奈川・綾瀬西高)と12年ぶりに対戦。10回にスタンディングダウンを奪うなどして3―0で判定勝ち。王座を奪取した。 収録後、取材に応じた堤は「ガッツリ見返したのは久しぶり。なかなか派手な試合をしていますね。ああいう打ち合いの試合はいいなと思う」と振り返った。現在、バンタム級は主要4団体王者が全て日本人ボクサー。目標にしていた拓真に勝った直後だけに、「戦いたい選手はいない。逆を返せば、誰とでもいい」と言うが、「拓真とはもういいです。拓真と増田(陸=帝拳、日本同級王者)とは勝ち逃げさせてください」とニヤリ。「もちろん、やるとなったらまた頑張るしかないけど、拓真とは一番やりたくない。何回かやって1回勝てるかという選手に勝ったんだから。俺、頑張ったもん」と、改めて拓真の実力を認めた上で、世界戦の激しさを改めて口にした。 ただ「一番強い選手になりたい。一番欲しいのはWBCのベルト。バンタム級でやっている以上、WBCは一番、欲しくない? そこが本当の目標になるなというのはあります」と堤。WBC世界バンタム級のベルトは、辰吉丈一郎(大阪帝拳)、薬師寺保栄、長谷川穂積、山中慎介、井上尚弥(大橋)、中谷潤人(M・T)らそうそうたるボクサーが腰に巻いてきた、日本人にとってはとりわけ思い入れが強い。「今は一番やっかいな人(中谷)が持っているから…」と堤は苦笑いしながらも「今すぐにやっても勝てないし、中谷君が自分に魅力をもってくれるかどうかというのも大事だと思うので。だから、チャンピオンとしての価値を上げていくという段階なのかなと思う。タイミングもあるし、相手に固執せず、(中谷と対戦するという)流れが来たらやる、という感じですね」と、将来的な対戦には意欲を示した。 試合後、1か月ほど休んだあと、「ジムワークはガッツリやっています。なんでこんなきつい練習をやるんだろう、というくらいの練習をやっています。スパーリングも始めている」と堤。WBAではアントニオ・バルガス(米国)が暫定王座を獲得し、いずれ団体内統一戦も見込まれる。「決まったらやっつけます」と堤。次戦は来年2月頃と見込まれているが「決められたら、首を縦に振るしかない。弱いヤツじゃなかったら、喜んでやりたい」と言葉に力を込めた。
報知新聞社