【卓球】いざ、パリへ。篠塚大登「「自分も感動を与えられる人になりたい」
「やっぱりメダルを繋げたいですね。そのために自分がやれることを最大限やれるようにしたい」
これまで個性的な左腕が多かった日本男子に登場した、死角のないオールラウンドプレーヤー、篠塚大登(愛知工業大学)。 涼しげなルックスの裏に隠した、動じない篠塚大登のメンタルが頼もしい。 焦ることなく、日々やれることをやり切る。 「団体戦男」は来るべきパリに備え、着々と技の精度を研ぎ澄ましている。 今年2月5日に発表された、パリ五輪・日本代表選手。団体戦にのみ出場する、日本男子の3番手に選ばれたのは篠塚大登だった。 本人はその吉報を、昼食に移動する車内で愛知工業大のチームメイトから聞いたという。「みんなが一緒に喜んでくれて、うれしかったですね」と語る20歳の青年は、インタビューでの言葉も常に「等身大」。過剰な自信も、ギラギラとした野心も見せることなく、穏やかに言葉を紡いでいく。 愛工大名電高、そして在学中の愛知工業大では、インターハイやインカレの決勝でトップを任され、常に勝利で期待に応えてきた「不言実行」の男。 団体戦で頼りになるのは、こういう男だ。 「何よりもまず1番のダブルスで流れを作れるかどうかが大事ですね。そこで良いプレーができれば、シングルスでも良いプレーができると思うので、ダブルスは入念に練習していきたいと思います」 リオ五輪、東京五輪と日本男子は団体でメダルを獲得したが、それは過去のことか、それとも繋げることができるのか。 「やっぱりメダルを繋げたいですね。そのために自分がやれることを最大限やれるようにしたい。 ドロー(組み合わせ)についても、決まったら決まったでやるしかない、という感じですね。パリではまず中国と当たるところまでは行きたいと思います。そしてまた中国選手に挑戦してみたいです。まだ中国のトップ選手には勝ったことがないし、あまり対戦したこともないので」。 卓球王国2024年7月号でパリ五輪の卓球日本男子のメダル獲得のキーパーソンになる20歳は静かに語った。 しのづか・ひろと[愛知工業大学] 2003年12月23日生まれ、愛知県出身。5歳で卓球を始め、卓伸クラブで腕を磨き、全日本カブ準優勝、全日本ホープス3位。愛工大附属中に進学後、2年時に全日本カデット14歳以下優勝、愛工大名電高1年時にインターハイ準優勝などの実績を残す。23・24年全日本選手権3位、2024年世界卓球団体ベスト8。世界ランキング70位(5月7日発表時)。愛知工業大学在学