鹿児島県・奄美市の名瀬中央青果市場で地場産野菜など初競り、威勢のいい掛け声響く
奄美市の名瀬中央青果㈱(中村博光代表取締役)で5日朝、今年の初競りが行われた。安田壮平奄美市長も出席。地元食材の供給を担う生産者らへの感謝を伝え、今年の豊作を祈願し、取引開始の鐘の音とともに市場には威勢のいい掛け声が響いた。 同市名瀬長浜町の市場で午前8時半から競り始め式を行った。市場には奄美大島などの農家が出荷したダイコン、ニンニク葉、トマト、キャベツ、キュウリ、シイタケといった野菜のほか、ポンカンなどかんきつ類やパッションフルーツ(時計草)も並べられた。 中村代表取締役は「野菜、果実などを取り扱う市場として島の人たちの食を支え、奄美の農産物を待っている島外にも安定して、品質のいいものを届ける役割がある。今年は巳年(みどし)で縁起がいい身近な年。ハブは神様。たくさんのいい神様が皆さんのもとに訪れるように、今年1年笑顔のいい年でありますように」とあいさつ。安田市長は「昨年は台風の襲来や、気候温暖化などの影響もあり、難しい局面もあった。来月には奄美の主力かんきつ類でもあるタンカンの収穫時期を予定しており、今年は昨年よりも多くの収穫が見込まれ、市場がよりにぎやかになることを期待している。皆さんが今年も1年、景気・活気・元気が出るような年にできるよう市としても協力していきたい」などとあいさつした。 式の最後には仲買人ら市場関係者らが乾杯で今年1年の豊作と食の安心安全を祈願。安田市長が鐘を鳴らしたのを合図に取引が始まり、次々と競り落とされた。 この日の入荷量は野菜2215・5㌔(うち地場産は1024・7㌔)、果実は444㌔(同393㌔)、花き33㌔(全て地場産)だったが、全て昨年より下回った。 同青果によると、昨年の梅雨時期から日中の気温が高かったことや台風などの天候不良により、農作物の生育不良が多いように見られたという。野菜はキュウリの単価が低かったものの、キャベツ、ダイコン、シイタケ、フダンソウなど単価は高く、果実は「津之輝」やスターフルーツなど入荷はなくポンカンの入荷量は少ないものの、スアガリなどの品質的なものもあり、安価だった。 同市の名瀬漁協の初競りは6日午前6時半から開始予定。