途上国支援、中国も資金拠出を COP29で協議 江守東京大教授
アゼルバイジャンで開催中の国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)で、途上国の温暖化対策を支援するため先進国が拠出する資金を増額するかが話し合われている。 気候変動問題に詳しい東京大の江守正多教授は15日までに取材に応じ、中国など温室効果ガスの排出量が多い途上国側の国にも資金を出すよう求めるべきだとの考えを示した。主なやりとりは次の通り。 ―途上国向け資金の意義は。 温暖化をもたらしてきた責任は主に先進国にある。温室ガスを多く排出し、その結果、温暖化が進み、途上国では深刻な被害も多い。途上国にも脱炭素の対策を取ってもらわないと世界の排出量は減らないが、そのための資金や技術がないわけだから、先進国が拠出するのは当然だ。 ―資金増額、どうすべきか。 注目されるのは「誰が払うか」という点だ。中国は条約の中では途上国側に分類されるが、資金を提供する側に回ることが求められている。中国は1人当たりの温室ガス排出量が日本と同じぐらいになっているので、責任ある立場だ。 ―米大統領選でトランプ前大統領が当選した。 トランプ氏は温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」を再離脱する方針で、この先、米国の対策が後退するのは確実だ。その中でも、他の国々が諦めないことが大事。気候変動はすべての国が協力しないと止められない問題だ。ただ、米国に追随する国が出てくるかどうかは非常に大きな焦点になるだろう。