いまの中国には夢も希望もない…若者の貧困化を止められない「習近平政権の大失策」
経済環境の悪化と将来不安の高まり
中国の社会心理の不安定化は、SNS投稿などにもみられる。 11月、中国で800万人のフォロワーを持つインフルエンサーが、「有名大学の卒業者ですら就職が難しいというのは本当か」、「就職に関するSNS投稿が多すぎる」とコメントした動画をアップした。投稿に対して、SNSでは若者が直面する就職戦線の厳しさを十分に理解していないとの批判が殺到、炎上した。 それと対照的なケースもあった。政府による学習塾業界への締め付け強化で関連分野を離れた人が、失業した境遇をSNSに投稿。思わぬ反響を巻き起こしたという。主な投稿内容は、失業した日常生活や失業者へのアドバイスで、同じ境遇に直面する多くの若者の共感を呼んだ。 IT先端分野など給与水準が高い業種での就業が難しくなった結果、公務員を志望する若者も急増中だ。財政悪化で公務員すらリストラの対象になっているに関わらず、応募者が殺到しているという。 つづく記事〈習近平政権は「大学生の夜遊び」すらも恐れている…《高学歴ワーキングプア続出中》の中国で広がる「若者の怒りと絶望」〉では、若者が苦しむ中国の状況をさらに詳しく伝える。
真壁 昭夫(多摩大学特別招聘教授)