白票=「現状維持希望」? 選挙は“監視”になる? 今さら聞けない選挙の基本の「キ」を専門家解説
10月27日に投開票される第50回衆議院議員選挙。 ここでは、なぜ「小選挙区」と「比例代表」があるのか? 白票に意味はあるのか? など、選挙の基本の「キ」を日本大学危機管理学部教授/東京科学大学特任教授の西田亮介氏に聞いた。 【映像】白票=「現状維持希望」? ━━そもそも、「小選挙区」と「比例代表」とはどのようなものか? 「小選挙区は全国に289あり、各選挙区で当選できるのは1人だけ。比例代表は全国を11のブロックに分けて行われ、政党名を書く。参議院選挙では候補者名か政党名のどちらでも書けるが、衆議院選挙では政党名のみだ」 ━━なぜ小選挙区と比例代表を組み合わせているのか? 「複雑に分布している民意を多様な形で拾い上げるためだ。小選挙区では1人しか当選しないため、死票が生じやすく、例えば僅差で敗れた場合などに候補者の支持者の声が反映されにくいが、比例を組み合わせればある程度その声を拾い上げることができる」 ━━「入れたい人がいない」という声はあるが、そういう人はどう選べばよいのか? 「『当選してほしくない人以外の名前を書く』と言う方法もある。せっかく投票所に行って列に並んだりするのであれば、誰かしらの候補者や政党を書いてくれば良いのではないか。日本の選挙制度は良くも悪くも投票に行かないことに対してペナルティの少ない権利的性質が強い選挙制度だ。罰金が科されたり、立候補できないなどの軽微な公民権の停止など、義務的性質が強い選挙制度の国もある。白票を投じるのは『現状追認』なので今が良いと思っている人はそれで良いかもしれないが、現状に不満がある場合は白票ではなく、誰かしらの候補や政党に投票するのがよいだろう」 ━━選挙に行くことで自分の未来や生活が変わるか? 「変わると期待することが大事。競っている選挙区では数票の差で結果が変わることもある。また、“監視する視点”を持つことも重要。現在の政治がよくないと感じているなら、投票を通じてその意志を示すことが大切だ」 ━━将来的にAIに政治を任せるべきとの声もあるが。 「AIは不正確な答えを出すこともある。AIに委ねてしまうのは不安定だ。そもそも、現行の立法府がAIに任せようとするかも疑問だ。ちなみに、現状でも保育園の優先順位付けなどにおいて行政の効率化には一部でAIが使われている」 ━━日本もアメリカのように国民が直接総理大臣を選べるようにした方がいいか? 「首相公選制の議論は定期的に出ているが、そのためには憲法改正が必要。議員内閣制は劇的な変化はないものの安定的と考えられる」 (『ABEMAヒルズ』より)
ABEMA TIMES編集部