カワサキミニスポーツバイクの現在形、ミニストリートファイター「Z125 PRO」
1980年台に登場した「3/4サイズ」などと呼ばれた原付/原付二種のスポーツバイクは、1970年代のレジャーバイクブームとはまた違った発展を見せた。カワサキZ125 PROは、そんなミニスポーツバイクの流れを受け継ぐ数少ない現行モデルである。 【画像】Z125 PROのディテールと関連モデルをギャラリーで見る(29枚) 文/Webikeプラス 後藤秀之
ミニスポーツバイクブーム
1986年にスズキから発売されたGAGとヤマハから発売されたYSR50/80は、10~12インチの小径ホイールを履く、いわゆる「3/4サイズ」の原付/原付二種スポーツバイクブームを引き起こした。続いてホンダからは1987年にNSR50/80が登場し、本格的なミニスポーツバイクブームが巻き起こった。サーキットを走行するユーザーも増え、当時既に始まっていたレーサーレプリカブームを加速させることになった。1988年にはカワサキからはKS-I/II、ヤマハからはTDR50/80というデュアルパーパススタイルのモデルも発売されてミさらにニスポーツバイク市場を拡大した。 ホンダはNSR50/80を年次改良で進化させ続け、ヤマハは新たに水冷エンジンを搭載したTZM50Rを1993年に投入している。カワサキはKS-I/IIをフルモデルチェンジし、水冷エンジンや12インチホイールを装備したKSRI/IIを1990年に発売した。ただ、これらのバイクのほとんどは2ストロークエンジンを搭載していたため、排出ガス規制のために2000年頃までに生産中止となってしまった。
ミニスポーツバイクを未来に繋いだKSR110
カワサキは新たに4ストロークの空冷エンジンを搭載したKSR110を2003年に発売し、他メーカーがミニスポーツバイク市場から撤退する中孤軍奮闘を続けた。ホンダはNSR系の車体に4ストロークエンジンを搭載したNSF100を2005年に発売しているが、これはレース専用車であり公道仕様はラインナップされなかった。 ただ、このKSR100は遠心クラッチ仕様であり、実用車の色が強められていた。このKSR110もさらなる排出ガス規制の強化によって2009年で国内販売は終了したが、タイ工場での生産は続けられていた。2014年モデルでは、4速リターン式ミッションを与えられたクラッチ付きのKSR PROがラインナップに加えられた。 2015年KSR110/PROの実質的な後継モデルとなる、ストリートファイタースタイルを採用したZ125/PROが登場した。このZ125/PROはKSR110/PROのエンジンを3mmボアアップして124cc化して搭載、Z125は遠心クラッチ、Z125PROはマニュアルクラッチ仕様で搭載。デザインは完全に新しくなったが、車体周りの基本はKSR110/PROから受け継いでいた。