大阪の名建築・芝川ビルに誕生した隠れ家リストランテへ! 100年超えの空間で味わう、イタリアのモダン&クラシック
エミリアロマーニャ州の小さなトラットリアを皮切りに、カンパニア州・ソレントにあるリストランテへ。その後は、ピエモンテ州や、トレンティーノ=アルト・アディジェ州、ヴァッレ・ダオスタ州、ラツィオ州にある星付きレストランを渡り歩く。つまり、北はトレンティーノ・アルト・アディジェ州から南はカンパニア州まで(フランスやスイスと国境を接する地域でも)、各州に伝わるローカルな料理と向き合ってきた料理人なのだ。
「イタリア各地に伝わる郷土の味をベースに、少しの変化球を楽しんでいただけたら」と斎藤シェフは穏やかな表情を見せる。
高コスパのコース料理。モダンな皿が、食べ手の心をつかむ
イタリアのクラシックとモダン、さらには日本の四季が見事に融合した味づくりが「isolata」ならでは。昼夜共にコースのみで、ランチは5,500円(6皿)~、ディナーは7,700円(8皿)~。値打ちのある構成でいて、おいしい驚きがコースの随所に。
この日の前菜は、「ヨコワとイチゴ!?」という意外な組み合わせ。表面を軽く炙ったヨコワに、イチゴと赤玉葱のアグロドルチェ(甘酢漬け)や、エディブルフラワーが添えられた、じつに華やかな一皿。
ヨコワは程よい旨みと清々しい風味が印象的。そこに、赤ワインビネガーやシェリービネガー、砂糖などで味を調えた赤玉葱のまろやかな酸味がじんわり広がる。さらに、イチゴのフレッシュな甘酸っぱさが重なることで、複雑味と奥行きのある味わいに。驚きのある構成でありながら、じつに調和が取れた味わい。
前菜と同じく、見目麗しい一品が「ビーツのリゾット」。「修業先のイタリア人は、コース料理の中の“リゾット”で遊んでいました。つまり、旬素材を組み合わせながら遊び心を加えていたのです」(斎藤シェフ)
斎藤シェフが主役にしたのはビーツ。その鮮やかな色合いと素朴な甘み、パルミジャーノ・レッジャーノやバターのコクとまろやかな味わいが溶け合い一つに。そこに白魚のフリットを添え、サクサクとした食感のアクセントを。さらに「飽きずに味わっていただけるように」と添えた、ディルの香りを利かせたレモンクリームによる味の変化も楽しい。まさに華やかさと、食べ進む楽しさを兼ね備えた名作! これから夏にかけては、ミントの色合いと爽やかさを生かしたリゾットも登場する。