みなと神戸再発見、「三菱重工神戸造船所」一般人の初ツアー実施/兵庫
神戸市などで構成する「おとな旅・神戸」実行委員会が主催する「おとな旅・神戸」のプログラムのひとつとして18日、神戸市兵庫区にある「三菱重工神戸造船所」の訪問ツアーが行われた。 同造船所の関係者によると、内部を関係者以外にツアー公開するのは初。 同社OBの加藤光雄さんらの案内で行われたツアーには約20名の神戸市民ら一般人の参加に加え、神戸市産業振興局からも3名が参加し、みなと神戸の魅力の再発見とともに、日本の近現代産業史を支えた「三菱重工神戸造船所」の歩みを再確認。 阪神甲子園球場の総面積の17倍以上ある約66万平方メートルの広大な敷地は、内部の各所に信号機を備えた横断歩道があるなど、ちょっとした異国情緒あるオフィス街そのもの。
山本五十六氏のサインなども展示
1905年(明治38年)8月に「三菱合資会社神戸三菱造船所」として発足した同造船所は、造船を主に発展。ディーゼル、タービン、ボイラーなどの開発で日本の産業発展に先進的役割を果たした。「商船の建造は現在、やっていない。造船は現在、潜水艦だけを作っている」と加藤さん。時代の流れとともに、原子力、や宇宙へと開発部門は移っているという。 今回のツアーでは、写真撮影は同造船所の歴史と製品を紹介した「展示ホール」や「和田岬砲台」内部など限られたエリアに限定。展示ホールには、同造船所の出身者やゆかりの人物の直筆サインや紹介もあり、戦前の海軍軍人・山本五十六氏のサインや作家・新田次郎さんの名著「孤高の人」モデルで同造船所OBの加藤文太郎氏の紹介なども展示されている。 (谷川しゅんき/関西ライター名鑑)